約 2,552,100 件
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/624.html
1 2 3 → 次へ お題 砂 開催期間 07/04/03~07/04/21 参加作品数 21 審査員 6人 本スレ 19の5-88 議論スレ 15の339-360 【チャンプ】 さらさらら(cレール):4点(9点) 【準チャンプ】 寂漠ランチ(あぶく):4点(8点) 微(浮雲):4点(4点) 作品一覧 No. タイトル 作者 点数 5 初めてのルネサンス - - 11 乾葬 - 2 17 砂流 - - 19 砂時計 - 2 20 砂葬 やさしいあくま 3 23 寂漠ランチ あぶく 4 24 砂漠の眼病 - - 25 砂上の楼閣 - - 26 砂漠の砂、一粒 - 1 27-28 砂の国 ナナシー - 29 健ちゃんと僕 - 2 30 微 浮雲 4 31 唇、 - - 32 眠り男 - 1 34 砂風呂 ◆notePDkbPQ - 35 さらさらら cレール 4 36 浜辺の情景 生ハムメロン 1 37 群集 - 2 38-41 砂の詩 快楽童子 2 42 黄砂楼 - - 43 すな - - 【審査員】 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk ◆OPBYKkBBNQ ナナシー ◆zMYfgmhp9w 【採点レス】 55 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/14(土) 06 13 19 ID ZmBzTBdH 採点結果。 11 2点 19 1点 20 2点 23 3点 26 1点 29 2点 30 3点 32 1点 35 1点 37 2点 58 名前: ◆OPBYKkBBNQ [] 投稿日:2007/04/16(月) 23 59 43 ID cc3qF9ir 38-41砂の詩:2点 35さらさらら:1点 67 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/04/19(木) 01 30 55 ID 9AWEr/b8 2点 35 1点 19 20 23 30 36 (審査の結果、3人同点で決選投票になりました) No. タイトル 作者 点数 23 寂漠ランチ - 8 30 微 - 4 35 さらさらら - 9 【審査員(決選投票)】 やさしいあくま ◆XhCOJeVipQ ナナシー ◆zMYfgmhp9w ◆notePDkbPQ 長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 【採点レス】 72 名前:やさしいあくま ◆XhCOJeVipQ [sage] 投稿日:2007/04/19(木) 23 22 34 ID hr3LSwWK 23「さらさらら」/3点 73 名前:やさしいあくま ◆XhCOJeVipQ [sage] 投稿日:2007/04/20(金) 22 25 37 ID 2anZ0Zg3 30「微」/1点 23「寂漠ランチ」/1点 79 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/04/21(土) 01 53 42 ID d0jtZ5sj 23 「寂漠ランチ」 3点 35 「さらさらら」 3点 80 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/04/21(土) 01 56 13 ID d0jtZ5sj ごめん、 30は1点です。 84 名前: ◆notePDkbPQ [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 19 09 54 ID LvGoHd34 23 2点 30 1点 35 2点 86 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 20 46 59 ID HZX9mecF 23 2点 30 1点 35 1点 作品 ■▲▼ 初めてのルネサンス きれいな砂をかき集め 少し水を混ぜる だけど 水が多いと崩れちゃうし 水が少ないと固まらない 微妙なバランスを見極め その幼く小さい手のひらで 細心の注意を払い 丸めていく 手にこめる微妙な力加減 強すぎず弱すぎず まるで赤子をあやすかのように 優しくあり頼もしく そして、美しい球体を作り上げた 後は一日乾かすだけだ 例え服が汚れようと 例えつめが真っ黒になろうと かならず完成させると誓った 彼の目は輝いていた 何回も失敗した しかし、そのたびに成長していった そして次の日 ついに完成させた 彼の初めての芸術品 ただの球体のように見えて 微妙に完全ではなく どこかに幼い心の純粋さを隠し まだ世を知らない夢と希望があふれ 見た目以上に意外と硬い球体 初めて一から自分の手で創造した芸術作品 その名も「泥ダンゴ」!!! 5 名前:続き再掲 ◆34law0hz56 [sage] 投稿日:2007/04/04(水) 23 13 38 ID fsLcsb0V 【コメント】 47 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/14(土) 00 34 07 ID ZmBzTBdH 5 砂と水で作った泥団子。小さな子供が作り上げたのを親御さんが見守ってるような絵でしょうか。 当のお子様にとっては芸術品という意識などあるはずもなく、単なる粘土遊びに過ぎないものを 親馬鹿の目は「芸術品」と形容してしまう。微妙に完全ではなく幼い心の純粋さを隠しているから こそ、大人の目には邪気がないという意味で「芸術作品」に映る。わからなくはないのですが、 私としてはピカソの晩年の絵とそのへんの子供の絵に同じ価値があるとは思えない。それは子供 に邪気がないのは当たり前で、大人が邪気を捨て去る瞬間が芸術なのではないかというような、 ありふれた考え方に私が染まっているだけかもしれないのですが。芸術という単語に引っかかって しまったため、書き手の親のような視線が逆に芸術とかけ離れているように感じてしまいました。 49 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/04/14(土) 01 41 16 ID yJsJdKx9 5 (629) 初めてのルネサンス 子供の目線から見た泥団子を作る過程ではなくそれを見届けている“大人”の目線(主観)から捉えた 作品ですね 安心して読み進めることができます 文章にある安定感は泥団子を芸術作品と認識する 子供の意味を持たない創造また感覚 に対し丁寧に意味づけて作品とした部分にあると思いました この泥団子を作る子供と 眼差しをくれ見届けている大人との間にある 行為に対する価値付けの 隔たりと 創作というものは 客観とある主観によって芸術として位置づけされるものであるということ そして “砂” という主題に着眼すれば確かに創造という“芸術”に無意識に触れ 意図もなく初めて 人が形作る発端は思い起こせば 砂遊びという 幼い心が無心に欲する割と自然な欲求であったのだと 大人になって初めて気がつくのかもしれないなと 再確認しました ですので この作品にある芸術性は子供の行為自体である それを捉える大人には主観を当て 照らし得るのみで 芸術というものごとからはかけ離れた意味づけの思考のなかにいるなどとも感じました 63 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01 22 07 ID 9AWEr/b8 5 ここまで平凡な作品をコンペに一番乗りで投稿してくるとは勇気あるね。泥だんごよりももっと練るべき物があったんじゃない? 74 名前:やさしいあくま ◆XhCOJeVipQ [sage] 投稿日:2007/04/20(金) 22 31 56 ID 2anZ0Zg3 5「初めてのルネサンス」/ 泥だんごかぁー。ラストまでもったいぶらずともわかってしまうのが悲しい。 81 名前: ◆notePDkbPQ [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 10 36 07 ID X+nZTgnc 5 芸術、純粋、夢、希望。これらをもっとさり気無く入れたら良かったと思います。 大人は泥団子ひとつに執念込められませんから、テーマ良かったです。「詩」も泥団子ですね。 ■▲▼ 乾葬 街をセピア色した死が通り抜けていった 始めはひび割れだった 次は零れて落ちてった 最後は無音が辺り一面に響くだけだった そして大きな欠伸をしながら目覚めたのは不毛だった どうやらその死は口さびしいらしい 鼓動も呼吸も傷痕も全てが〈何も無い〉で出来ているから だから今その大きな口を開けて 青い蒼い飴玉を一つ頬張ろうとしているのさ 11 名前:乾葬[] 投稿日:2007/04/05(木) 09 18 34 ID L2rwpykp 【コメント】 47 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/14(土) 00 34 07 ID ZmBzTBdH 11 小品ながらイメージは色鮮やかです。もちろんセピアから灰色、そして何もない世界の無色まで、 どんどん色は失われていくのですが、最後の青い飴玉が再生への希望と共に強烈な色彩感を 感じさせてくれます。青い空を取り戻すまでの時間さえも止まった永遠の静寂の中で、実は何かが 動き出している。タイトルもある種の破滅のイメージを的確に表しています。もちろん破滅だけで 終わっていないところが私としては好みでもあり、普遍的な美しさも内包していると見ます。 49 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/04/14(土) 01 41 16 ID yJsJdKx9 11乾葬 風化と時の流れを感じました 瓦礫や地層など壁として蓄積し時間の中で押し固められた砂の層 ぱらぱらと誰に気づかれもせず また砂に舞い戻る瞬間の匂いとか 地割れ地層の出現 また亀裂は 空や海などにさらされて打ち砕け 解け流れる 描写の加減と風合いが素敵な作品と思いました 58 名前: ◆OPBYKkBBNQ [] 投稿日:2007/04/16(月) 23 59 43 ID cc3qF9ir 11乾葬 加点作品ではないのですが。 いまいちよくわからんのだけど、二連目は地球に広がる砂漠の様子と受け取りました。 で、そうなると、一連目が私的にはひじょーに勿体ない書き方ではないか、と思うわけです。 とにかく、二連目に惚れました。 63 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01 22 07 ID 9AWEr/b8 11 最後の飴玉が地球だとしたら作品は宇宙のメタファーなのかな?だとしたらスケールの大きさが伝わらないなぁ。他の解釈は浮かばないし。 74 名前:やさしいあくま ◆XhCOJeVipQ [sage] 投稿日:2007/04/20(金) 22 31 56 ID 2anZ0Zg3 11「乾葬」/ 飴玉は虚無に関わる暗喩だ。 「青い蒼い」にしたわけは、暗示的にでもいいから少し明らかでありたいなと思った。 何もないよりは何か残したい、そこがいいと思いました。 81 名前: ◆notePDkbPQ [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 10 36 07 ID X+nZTgnc 11 個人的には、凝り過ぎて変則的になった日本語は好きではありません。こういうのに 馴染みが無いせいもあります。乾き→砂を詩全体使って表現したのは良いです。 【得点】 2点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:2点 ■▲▼ 砂流 ぬめぬめとうねり申し恋歌を詠むに相応しき陽気に誘われて 陽光は水面を明に映し出し流れに足をとられた私はただ "人の世おぼろげなり"と嘆くのでございます 湿ったマンホールに気をつけなって 直角同士が幾重にも交わったこのビルの裏 人の裏を 這い回る俺らは鼠かはたまた社会排水 知ってるか いくら上等な香水でもな他の臭いと混ざっちまったら 複合臭と言ってヘドロみたいな嗅ぎ心地になるわけだ ましてやくせぇもん同士を混ぜたらどうなると思う カオスだよ混沌臭 要するに起き抜けのちぢれパーマだ 覚えておけ さらさらと渇き申し空風は勝手放題に塵屑どもを転がし 神はこの灰砂漠に色付けを怠りなさったのか阿呆めが 砂粒の氾濫に目を奪われた私はいま "人の心もまたおぼろげなり"とつぶやくのであります 17 名前:「砂流」[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 12 52 16 ID t5PcoBBA 【コメント】 47 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/14(土) 00 34 07 ID ZmBzTBdH 17 芥川調の古典物語風の文章にサンドイッチされた、べらんめえ調の毒吐き。その箇所に現れる 「湿ったマンホール」や「社会排水」、「香水」、「ヘドロ」という「水系」の単語の羅列がこの作品を 紐解く鍵となるようでもあり、タイトルを重視すればわかりにくくなっている面もあり、非常に悩ましい 読後感をもたらします。「水系」の「ぬめぬめ」を世の儚さのように読むならば、渇いた突風にこそ 希望を託すのかと思いきや、砂粒の氾濫が今度は人心の儚さを象徴しているらしい。整合性を 探るならば「砂流」もまた液体のような「流れ」を産み出す「水系」の鬱陶しさなのであり、湿度の 有無は関係なく「流れ行く」ものとして同義語なのかもしれません。 49 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/04/14(土) 01 41 16 ID yJsJdKx9 17砂流 形を成したものというものは 他の認識があってもなくても 形状を持った瞬間から 移ろうことが約束されたもので 物事であっても一端たりとも変容しないものなどないのです と読後 このような言葉がわいてきました 入り混じり 攪拌も微塵というものの根本があるからこその混沌で 変化と流動の全ては 砂の如く 砂の様相で きっと砂に帰りつくものかなと 文体と内容がマッチしていて 匂いと 湿度の妙は 生身のものであるがゆえの何れ流動は免れないのだ と有機物から無機質への変貌を感じ取れる部分でもありました 63 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01 22 07 ID 9AWEr/b8 12 13 ルール云々以前にさ、コンペという場所をあまりなめるなよ。誰でも自由に投稿できるのはただ入場無料という事。入場する資格は自分で判断しなよ。 前回もこんなのがあったけど、下手でも良いから本気でコンペに参加して来いよ。 63 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01 22 07 ID 9AWEr/b8 17 1,3連目は良いと思う。けど挟まれた2連目が冗長で雰囲気も異質で何だか別の作品を貼りつけたみたい。なぜこんな2連目にしたのか分からないな。 81 名前: ◆notePDkbPQ [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 10 36 07 ID X+nZTgnc 17 イメージは良かったです。弁当箱にぎゅうぎゅうに詰め込んだみたいで、ちょっと 詩に余裕がないです。 ■▲▼ 砂時計 石を砕いてさらされて 鳴き声からした一握の 砂を封じたダルマ型 幾たび時を刻もうと もはやどこにも行けはせず 天地忘れた囚われの そよがぬ空に願わくば 来世は黄砂と夢に見て 誰がためにか身を削り ただいたずらに渦を巻く 19 名前:砂時計[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 21 04 19 ID 0iX2Vp9m 【コメント】 48 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/14(土) 01 33 45 ID ZmBzTBdH 19 砂時計の中の砂粒たちの悲痛な叫び声が聞こえてきます。「来世は黄砂と夢に見る」とは、 ささやか過ぎるような願望ではありますが、ダルマ型のまさに手も足も出ないガラス瓶の閉じた 世界ではそのように考えるのも理解できます。しかしこれが砂時計の描写だけでなく、心理描写 も重ねているとしたら、あまりにも救いがない印象です。わざと渦を作らず詰まってみせて、 外の世界の誰かに乱暴に振ってもらって、手を滑らせた拍子に床に落ちてガシャンと割れて、 そこで脱出を謀るというような企みを砂粒たちに託してみたら、奥行きも出たように思います。 51 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/04/14(土) 02 49 00 ID yJsJdKx9 19砂時計 七(八)五調の定型で音読リズムが良いなと思いました 大きな砂時計という中に生きている私たちといったような 情感 結局姿を持ったとしても地に返り一つの循環の中で生かされているに過ぎないのだということ それををシンプルに伝えているのではないでしょうか 物質というものは姿かたちを変えながら砂時計の 中という限定された空間内 微粒の流れとして時間そのものでもあり 小さな小さな単位の集合体にしか 過ぎない しかしこの完全な形状世界観という硝子の中でしかあきらかに存在は出来ないということも 言えるんだ 喩えの砂時計を小さな域で捉えてはいない 巧いなと思いました 63 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01 22 07 ID 9AWEr/b8 19 文字数がなんとなく揃ってるんでとりあえず縦読みしてみたが残念ながら違うらしい。連歌的な古典のリズムでつらつらと文字が泰然と流れていく。作品の雰囲気は良いと思う。 ただ擬人化された砂時計にあまり感情移入できないかな。正直創り込みすぎて嘘っぽさを感じてしまった。大仰なスケール感に敬意。 1点 74 名前:やさしいあくま ◆XhCOJeVipQ [sage] 投稿日:2007/04/20(金) 22 31 56 ID 2anZ0Zg3 19「砂時計」/ 砂時計の砂の叫び。 いい感じにまとまっていて、終わりのない展開となっています。 砂時計についての描写は無駄なく突き詰めていますが、そこから飛躍も展開も求めないあたりが、 作品として小さくまとまってしまったと思います。とはいえ、悪くはないし、 30くらいいい作品ではあります。 参加が遅かったので言ってもしょうがないですが、一点の加点対象でした。 81 名前: ◆notePDkbPQ [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 10 36 07 ID X+nZTgnc 19 定型詩のようであります。「もはやどこにも行けはせず」がゆるいですかね。 「砂時計の砂」か「砂時計」かどちらか曖昧でもあります。砂時計の遣りきれなさが 良く伝わってきました。 【得点】 2点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点 ナナシー ◆zMYfgmhp9w:1点 ■▲▼ 砂葬 誰もいない砂漠には 僕一人を埋めました 穴は掘っても掘っても中身を崩してゆきました それでも僕は掘りつづけます 恐らくは自分のためでしょうが 何もない砂漠の一輪の花にでもなってやりたかったのです 太陽がカンカンに照り付け 僕を粉砕しようとしている なだらかな砂の丘は自然な凹凸に不自然な凹みを勝手に作られている ときどき砂が風に吹かれながらキラと太陽に反射するのです それまで 焼かれ続けて熱くはないですかと思っていたから ―― いいえ 太陽はわたくしたちにキラリと光る一瞬を たくさん与えてくださるのです と 素敵に思わせてくれました 風景はこれ以上ないくらいにシンプルな作りとなっています 絵の具を用意するなら 空の青と砂漠の黄色 僕はそれを邪魔する黒点なのでしょうか 風はサラサラと埋もれかけの僕を露出させていきました ここに偽物はいらないよ と誰かがつぶやいて じゃあ僕はどこに存在するのが自然なのかと 自分に問いてみたら 久しぶりに家族に会って 友達にもあって 頭のなかの独り言を語る場所があったということが 僕が存在する 1番不自然じゃないところなのだと 気付いてから 首元を狙う蠍の固い足に身は凍り付き 今から戻れるだろうかと不安になってゆくのです 20 名前:砂葬[sage] 投稿日:2007/04/09(月) 00 35 17 ID 3l5BL1Y/ 【コメント】 48 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/14(土) 01 33 45 ID ZmBzTBdH 20 どうしても詩を書こうとする人は自らの孤独感や疎外感を出発点にしてしまう傾向があるので、 この作品も例に漏れずテーマとしては見飽きたものでしかないのですが、構成力とイメージ力で 読み手側の不快感を排除することに成功していると言えます。しかし文章的に「不自然な凹凸」の ような描写の箇所など、削っても構わない不必要なものも多く、そのことがリズムの面でぎくしゃく した感じをもたらしているのも確かなようです。最終連に唐突に「家族」や「友達」といった現実に 引き戻される感覚はよくわかるし、実際構成としては効果的なのですが、その前に伏線を用意して おいた方が「唐突」ではなく「起承転結」の「転」のような作用をもたらしたはずです。あるいは「家族」 や「友達」もすべて比喩にしてしまった方が違和感は少なかったように思います。ただ、最後の改心 してから蠍に怯えるオチは秀逸で、一気に深みが増しております。この構成力に見合った文章上の 工夫にもっと気を配れば、更に完成度も寓話性も高まったはずと思えば兎に角、惜しい作品です。 51 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/04/14(土) 02 49 00 ID yJsJdKx9 20砂葬 不安が流砂のように流れている作品と思いました 環境に協調するばかりが存在する意味となっては 疲れるばかりだと思う 照りつける日差しの中 砂に埋もれるという気持ち(感覚)を書こうとしたのでしょう これは社会という人が生きも死にもする環境上で感じる気分に似ている 砂漠という環境に適応して花咲く そんな希望を持ちつつ その渇きに順応した機能なり思考なりを もっていなければ花となるどころか 砂漠の餌食 砂は環境と取れて心情が伝わりやすいです ただ 色を用いた“絵の具”などの行は情景の輪郭をぼやかしてしまっているように思え 一行一行の イメージは素敵であるのですが イメージしながら読み進めると画像的にぶつぶつと尻切れトンボで もったいない 最終2行にはっとする分 中だるみが気になってしまったのですが内面で繰り広げられている 思い と 現実に接する思考が交差している部分の連結または 突き放し加減が不鮮明だからではないのかと 感じましたが いいなと思った作品であります 63 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01 22 07 ID 9AWEr/b8 20 作品の流れはとても良いと思う。ただラストは内容が良い割に弱く感じた。砂漠の持つ二面性を風景に交えてもっと書き込んで欲しかった。少なくとも色だけでイメージを固定化するのはちょっと安直に過ぎるのでは。 1点 81 名前: ◆notePDkbPQ [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 10 36 07 ID X+nZTgnc 20 心象をこれだけ鮮やかに描けるのは見事です。しかも動きのあるイメージです。 世を拗ねるみたいな感じなのでしょうけど、詩で描いたほうが粋ですね。 348 名前:やさしいあくま ◆XhCOJeVipQ [] 投稿日:2007/04/22(日) 06 34 32 ID TIftOPCk 僕は 20砂葬書きました。4番目ですが、準チャンピオンってだけでもうれしい。 点入れてくださった皆様ありがとうございます。 将軍さん、竹輪さん、ナナシーさん、noteさん名無しさん、長介さん評価ありがとうございました。 【得点】 3点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:2点 ナナシー ◆zMYfgmhp9w:1点 ■▲▼ 寂漠ランチ あたたかいというただそれだけで ひとは幸せな気分になれるのだ 春がきた ひかりをのせて春がきた 歩きはじめたみいちゃんが おんもで空を見あげてる わたしもおんもへ 桜ならぶ河川敷の公園で 寂漠のランチを口にはこぶ からっぽなわたしのからっぽに さらさらと砂が満たされてゆく ああ 桜は夢のように咲くのだなあ なんのことはなく すべてはあるがまま 歩きはじめたみいちゃんは こけて泣いては立ちあがり そのうち上手にスキップで 遠くの空を追いかけるだろう 風に桜の花びらながれ 寂漠の砂にひらひらと舞いおちる 大河にくだかれ打ちよせられた砂つぶが ひかりにつつまれてゆく ああ あたたかいなあ もういちど何かを追いかけたい いずれ朽ちゆくとしても 世界にひろがりたい 寂漠のランチはにがくて癖になるけれど 桜は夢のように咲いていて わたしはさらさらと鳴るからっぽに おおきく春を吸いこんでみた 23 名前:寂漠ランチ[] 投稿日:2007/04/09(月) 17 44 34 ID VtPCXZRq 【コメント】 48 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/14(土) 01 33 45 ID ZmBzTBdH 23 まず題名が素晴らしいと思います。寂莫とした感情と砂漠のイメージを重ねつつ、食べてしまう。 そしてそれがただの無常感で終わることなく、無常という諦念から一歩踏み出した「受け入れる」と いう受動を突き詰めた上に反転した能動といった感じの積極性を醸し出しています。このことは、 「桜は夢のように咲くのだなあ」の一文にすべて篭められていて、儚さというよりは夢という非現実性 にこそ真理が隠されていたことを見破ったような発見の喜びが全編に満ち溢れております。 51 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/04/14(土) 02 49 00 ID yJsJdKx9 23 寂漠ランチ 漠とした不安 寂寞という言葉と似てる 寂 漠 一読でひどく気に入った作品です 春の小さな竜巻を見ている気分にもなれたし ひっそりとしている様と 寂漠ランチ この初めて触れる 言葉と もどかしさを呑み込むような雰囲気が良いと思いました 砂を噛む この喩えよりももっと鮮やかな新語でもあると思うし 趣は季節感と相乗して乾いた風に舞う 桜色の余韻と 砂を飲むような現実を引き立てている 64 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01 22 51 ID 9AWEr/b8 23 子供の成長を見守る母親という単純な図式ではあるけどなんとなく目新しさも感じる。自分の子供を特別な存在として扱わず、風や桜や空や春と同じ視線で見ているからだろう。 それにより読み手もすんなりと風景に溶け込み語り手の感情に同調する事ができる。ただ作品内の砂はさすがにちょっとこじつけというかあざとさが否めず。 1点 73 名前:やさしいあくま ◆XhCOJeVipQ [sage] 投稿日:2007/04/20(金) 22 25 37 ID 2anZ0Zg3 23「寂漠ランチ」/1点 3作読んで、みんな構成がしっかりしているので評価が楽だと思いました。 タイトルが良いです。 「みいちゃん」と「私」は親子ですが、母親の目線で追うと、どうしても親と子が離れすぎていて、 他人っぽかった。 テーマはどちらかというと、春や桜で、「寂漠ランチ」とはでてくるけど、アイテムや表現の一部てきな使い方しかされていないと思った。 でもそんなことより、この詩がいいかどうかなんだよね。という判断で評価させていただきます。 わかりやすい描写に春らしい柔らかさを感じました。 みいちゃんと自分、さりげない対比の中にみいだす成長と自己の感情の流れ。 6連の満ちていく感覚がわかる。 でも展開としては、テーマが弱く、そのため8連9連はまとまっているが物足りない感じを受けた。 79 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/04/21(土) 01 53 42 ID d0jtZ5sj 23 「寂漠ランチ」 読み返すとこれは良い詩だなぁ。なんで1点しかあげなかったんだろう。 美しく残酷な春の日差しの中で、矛盾する、けれど自然なる二つの感情が優しく織り交ざり、 希望と絶望が親密に溶け混じりながら暖かくだけど悲しい感傷が薄いシールみたいに心に貼り付いてしまう。 時間の大河なる流れに疑問もなくゆるゆると押し流されてきた日常にはっと突然訪れる「気付き」。 だけどそれは砂のようにまた時の風にさらさらと消えていく儚い感情である。 希望の余韻に満ちたラストながら、その先にある夢物語ではない日常の続きが分かっているだけに切ない気持ちになる。 3点 84 名前: ◆notePDkbPQ [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 19 09 54 ID LvGoHd34 23 ぱっと見た瞬間、これ、前回に出し損ねたのかなと思いました。童謡の一節が 出てきますが、これは、作者の遊びでしょう。ほのぼのとした雰囲気の中で、なぜ、寂しい きもちになるのか。共感できます。でも、自分は説明できない。この詩は、説明できないもの を詩として描いています。いい作品です。ただ、これは「砂」ではなく「春」の詩でしょうね。 2点 86 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 20 46 59 ID HZX9mecF 23 ふっくらした、柔らかい言葉の使い方が素敵でござるな。 そこに「寂漠」という苦みが加わって、たいへん美味でござる。 見方によってはやや工夫が足りぬ、素直すぎる作品と言われるかもしれぬが 拙者は、このストレートな暖かさを愛する者でござる。 2点 351 名前:あぶく ◆OPBYKkBBNQ [sage] 投稿日:2007/04/22(日) 23 05 52 ID YLUcorUh 審査員の皆さん、お疲れ&ありがとうございました。 『寂漠ランチ』書きました。 評いっぱいいただけて嬉しいです。 えー、これ、母と娘の情景なんだー、と落ち込みもしましたが、noteさんの評で少し持ち直しました。 いやー、人様に読んでもらうのって大事ですね。 《みいちゃん》と《おんも》でわかるだろうと踏んだ甘さを思い知らされました。はは。 どの評も嬉しかったのですが、とりわけまんこ将軍とナナシーさんの評は、自分でもよくわからない心情を明確にしてもらったようでした。 で、「テーマは春ではないのか疑惑」についてですが、そのとーり! てゆーか、前回どーにもまとまらなくて脳内保存のイメージの断片が、プラス砂でなんとか形になりました。リーフレインさん、ありがとう。 長介さんの言われるように、自分でも、なんかただの独白ぽいなぁと思いつつ投稿したのですが、思いのほか好評でよかったです。 ありがとうございました。 cレールさん、チャンプおめでとうございます。 355 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [sage] 投稿日:2007/04/23(月) 09 15 26 ID L6xmCWGk 351 こっちがあぶくさんか。リーフレインさんだと思ってた。う~ん、みんな芸風が広いなぁ・・・。 一回目の評は少しずれていましたね。一度に大量に審査するのって本当に良くないな。 決選投票の時の評は僕なりに真剣に読み込み、そこから感じた言葉を載せる事が出来たと思うけど。 最初の審査の時に僕の最高点である2点上げてれば勝負は決まっていたんだけど(そして上げるべきだった)、 決選投票にもつれ込む事でより多くの人に評を書かせる事が出来たのでお許しください。 【得点】 4点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:3点 ナナシー ◆zMYfgmhp9w:1点 【得点(決選投票)】 8点 やさしいあくま ◆XhCOJeVipQ:1点 ナナシー ◆zMYfgmhp9w:3点 ◆notePDkbPQ:2点 長介ジュニア ◆kuJg2yitX6:2点 ■▲▼ 砂漠の眼病 さらさらと泡沫の色は蒼く 陽光にあてられ反射する 神の鉄槌を期待しながら倒れゆく バベルの塔のようなまぼろしか それとも私の喉の乾いた粘膜が 息をとうとうつまらせたせいか 粉末は目の水分をすいとり ひかりはより、強く強く それらに耐えかね神経を結ぶ ひとつの線が干し切れた- まわりにみえる唯一の黒み わたしの影はゆっくりと変化し ついには枝葉を帯びて 色を、プリズム的に分裂 してゆく原色がやがて 変化していった、妖艶な葉は きらびやかに 呼応し 大きく揺れ動き ざわめく音は 優しい雑踏の音 涼やかな風が吹き 細枝は今にも折れんとばかりに 豊満に実った果実は完熟となり 黒く湿潤たる大地に 落ちて それを握り、甘露なる果汁を 齧りほそうとした刹那 私の口は砂を包み 喉は予想もせなんだ攻撃に 痛めつけられ さらに粉は奥へ、肺へと進み それを排除しようとする気管の 躍動がさらに私をまいらせた! わたしの干されゆく精神よ 一体どうしたのだおまえは 消耗の果ての安寧に身を任せ 朽ち果てるのを待つ気か? すべての計画された運行に 抵抗しようと 幻覚を駆使しろ、 弱った神経よ!消耗しきった脳よ! ゆけ、走れ、叩け、殴れ そうして 幻聴はどうした、幻臭は、 幻触はどこだ、ありもしないものを 味わうおまえの能力は! おまえにはあるではないか、精神よ おまえを苛みつづける、おまえ自身の世界が 24 名前:砂漠の眼病[sage] 投稿日:2007/04/09(月) 21 58 09 ID o75Z57fB 【コメント】 50 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/04/14(土) 02 30 24 ID ZmBzTBdH 24 眼病というよりは目や気管を砂で潰されたが故に見えてきて、実感することができた、自身を 鼓舞する応援歌のように読める点において、これは病ではなく神秘体験のような趣きです。 ところどころ、倒置法や言葉遣いに不自然さやリズムを失う箇所が散見されるのが残念で、 書きたいことのシンプルさと較べて、冗長な分量のように思えてしまうのもそのせいだと感じます。 64 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01 22 51 ID 9AWEr/b8 24 多分砂漠のような場所で行き倒れて幻覚と戦っているのかな。下手では無いけど人に読ませるにはちょっと独り善がりでは。あと海外の訳詩によく見かける言葉遣いだね。特にラストの辺り。 81 名前: ◆notePDkbPQ [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 10 36 07 ID X+nZTgnc 24 難しくてシンドイですけど、これぐらいならまだなんとか。丁寧ですね。想像力を広げて 力こもってます。「砂を噛む」ってまさにこんな感じでしょうか。クライマックスの砂に苦しめられる ところの分量と迫力が不足した感じです。 1 2 3 → 次へ ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/619.html
前へ ← 1 2 3 作品 ■▲▼ solo 二台のピアノさえあれば どんな音でも表せるそうだ 一台だけなら どうしろって言うのだろうか 少しずつ小刻みに 五線譜の中を彷徨い フォルテッシモのように激しく 中身はピアニッシモのように脆そうな 人間のような旋律と 旋律のような人間と なぜ歌っているんだろう 独りよがりに弦は揺れる 永遠に震えたまま ただ僕はここにいる 歌いたいから歌ってる 491 名前:solo[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 21 00 18 ID C18MQ4RG 【コメント】 512 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 04 31 56 ID R7ZIsZC2 491 冒頭の二台のピアノの話は真っ赤な嘘なので、いきなりがっくりしましたが、もちろん音楽理論なんか どうでもよくて「ソロ」=「ひとり」ということを描くための装置なのでそこは問題なし。 4連がわかりにくい。ソロピアノの話なのか連弾を表したのか。6連の「永遠に震えたまま」はとても 素晴らしい表現。ピアノの弦との関連性で心の震えが残響音として永く残ります。 ただ、最終連の結論部が安易なような気もします。自らの発した問いかけに「歌いたいから」では、 どうしても結論を逃げた、という印象しか持てません。もちろん逃げたい心境なのかもしれませんが。 515 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 05 36 17 ID faWm73RC 491 solo ソロ 独奏を文章化したのかと思われます 凄く繊細な今にも壊れそうな印象を受けたので 脆さの響き 繊細な音を表現したいと思われていたのでしたら成功していると思われます もしかしたらもう少し言葉を削るとさらにこの繊細さが際立ってくるのではないかと思った 体言止めで良さそう >人間のような旋律 >旋律のような人間 この繊細な雰囲気はグランドピアノの前で呆然として放心しているかのよう 推敲の余地は あるような気がします 522 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 31 53 ID fpudlBHr 491 「solo」 歌いたいから歌う、ただそれだけのことに、全ての音は要らないんだよね。 でもやっぱり、ちょっと淋しげな音色が聞こえてきて。なんかいいなぁ。 531 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 25 14 ID COEV4aQ+ 491solo 二人の人間がいれば、どんな歌でも歌えるそうだ、 たった一人でどうしろというのだろうか?だけど一人でも歌うんだ。というテーマ。 人間のような旋律と 旋律のような人間と この2行がとてもよかった。 121 名前:みたらしひかる ◆aglqL.ViKQ [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 14 43 20 ID cLyrm6/O BE 157843182-2BP(350) 0点でしたが「solo」書きました >将軍さん 確かに読み返して最後が蛇足だった気がします >竹輪さん 体言止にしなかったのはリズムをつけるためわざとそうしました あまり遂行してないのを見事に見抜かれました 気をつけます >シオンさん 葉土さん そういっていただけるとうれしいです この作品を悪いところを指摘してくれる人を探してます 勉強したいので悪いところを見つけたいと思ってます バンバン逝ってください あと、長助さんおめでとうございます 129 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [] 投稿日:2007/03/22(木) 12 15 29 ID n2lOW8fz 121 次代の詩板を担うはずのみたらしさん、こんにちは。ゼッケンです。 悪いところよりまずは自分の持ち味を探したほうがいいよ。 131 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/22(木) 23 49 43 ID FNOpywko 121 ああ、そうそう、最後の連ズバッと全部切った方がシャープに締まったかもですね。 あと、悪いところって言われると別にないんだけど、勉強するにはまず書くことより本いっぱい読む ことだけっすよ。詩ぃ書きたいなら詩集以外の本ね、特に。あと若いのなら2chは見ないに限る。 ■▲▼ 消える練習 そっと手を伸ばした先 雑誌の山が崩れる音 夢の中では缶ビール きみの部屋で喧嘩したとき 割れたのは大好きだったニールヤング 閉じこめられていたおもいだけ いまだからこうやって曲にもできるけど あのころはどうしてか焦ってしまって 吸う息も吐く息も旋律を乱してた そうやって謝れても困るんだって言った どこだかのファーストフードのポテトいじくりながら きみが東京にいくってなってから ずっとおれが音楽も楽器も 触らなくなったことしらないよな ただこうなっただけだって歌詞 きみを探してるんだなんて言えないやってな歌詞 丸めた紙を広げたらでてくる 曲作ろーぜって集まった あの頃の部屋から見えなかったこの部屋 492 名前:消える練習[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 00 38 15 ID gnD3Wt5m 【コメント】 514 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 05 22 39 ID R7ZIsZC2 492 一連目のたぶん男の汚い部屋の様子。そして「君」の部屋で割っちゃったのがニールヤングの レコードという出だしに、私は個人的にぐいぐいと惹き込まれます。このレコードがスティーヴン スティルスだったら気取りすぎ。デビッドクロスビーやグレアムナッシュだったらウソくさい、という わけで、絶妙なミュージシャン名、もってきたなあ、と。ここだけで1点あげたいですね。 でも現在、ニールヤング、偉くなっちゃったからなあ。18年前なら完璧な人名。逆に30年前だと あざとい人名。40年前だと日本じゃ誰も知らない人。実在の人物って読む時代に左右されるから 本当は難しいですけど。でも私はこれOK。さて、続きを読み進めると時系列的には過去と現在が 交互に出てくる4部構成でいいのかな。一連だけ混ざってるのかもしれないけど。内容的には、 まあ、私も身に覚えがあるようなかつてのバンド仲間への郷愁。しかし4連が上手いので薄っぺらく はなってない。「君を探してるんだなんて言えないや、ってな歌詞」と読点入れた方が読みやすいとは 思うが、この「って歌詞」「ってな歌詞」の連発がちょっと投げやりでなんとなくやりきれない主人公の 心境を見事に表現しております。さてさて残るはタイトルですが、これがちょっとまた深い。深すぎて わかりにくくなってるくらい深い。私の読みだと昔、バンド練習してた部屋で本当に練習してたのは 友人との別れ方だとか喧嘩のしこりの消し方だった、みたいに取れますが、もっと味わうと青春そのもの の想い出からの決別を現在の主人公が模索しているようにも読めてジーンとくるものがある。 もう少し長く出来たんじゃないか、という不満もあるのですがニールヤングとの合わせ技で。2点。 515 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 05 36 17 ID faWm73RC 49 消える練習 青春の香りがします 音楽と別れ バンド&女 楽器&青春 上京もそう 王道のストーリーだと思います このままラブレターになるような素直さが眩しいです どう考えてもありがちなパターンなのですが わたくしには新鮮に映りました 荒削りで変に作りこんでいないから良いのだと思います 522 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 31 53 ID fpudlBHr 492 「消える練習」 言葉のリズムがいい。だから余計に切ないんだろうなぁ。 531 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 25 14 ID COEV4aQ+ 492 消える練習 素直でいい詩。 技術的にも、言葉の連なりが非常に滑らか。 嘘のないまっさらな心を刻み込んでいったんじゃないかっと思える衒いのなさが伝わってくる。 次点 【得点】 2点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:2点 ■▲▼ 初ライブ観賞にて スライスされた音符のタップ 産毛もおっ立つハーモニカ 下品なドラムは頭痛を誘う プロなんですか あー、そうなんですか 転調するのは道具だけ ヴォーカルの声はずっとシの音 ベースもずっと休みっぱなし 耳が良すぎるのも困ったものです しかもこんな小さなハコで 皆さんが上へ上へと跳ねるものですから どうやら僕の胃も徐々に音階を上げてきたようです 493 名前:初ライブ鑑賞にて[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 22 18 53 ID e1a3KJ1j 【コメント】 514 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 05 22 39 ID R7ZIsZC2 493 なかなか悪意に満ちたお客さんです。性格も悪そうです。耳が良すぎるのも困ったもんだ、なんて 言っておりますがヴォーカルがずっと「シ」の音続けてたら誰だってわかるでしょう。たぶんなんかの 嫌味ですね、これ。プロを批判するのは簡単だけど、おまえもプロになって金取ってから言えよ、と こちらも嫌味をかましたくなる作品です。 515 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 05 36 17 ID faWm73RC 493 初ライブ鑑賞にて のっけからするっとライブに溶け込めない感じが妙に初ライブ鑑賞らしいなと ライブで一人だけクールに観察している風の人物がイメージ出来ました 胃に行き着くその突飛さがなんとも醒めている様子を滑稽に思わせているね 522 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 31 53 ID fpudlBHr 493 「初ライブ観賞にて」 とりあえず、乙。最後の落ちもまとまって、うんざり加減がよく分かる。 532 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 26 18 ID COEV4aQ+ 493 初ライブ鑑賞にて これは酷いライプにあたりました、 というかライプの聞き方になってないぞっと突っ込みをいれたい。 ■▲▼ 百円シンガー あたしは百円シンガー ドサまわりのシンガー 五色ひろしや美空すずめといっしょに 温泉宿のステージで リクエストにこたえる百円シンガー 一曲百円 なんでも百円 レパートリーはひろいわよ この道十年 嘘もっと 黒の船唄 君こそ命 浮草くらし 天城越え 赤い牡丹の振袖と 髪にちらした羽飾り 揺らしに揺らし歌います 恋の歌はいつの時代も 甘くせつなくおめでたく 出会わなかったひととの思い出に 胸が疼いてくるでしょう きれいな空はいつだって あの薄雲の向こうにしかないんだし きれいな夕陽はいつだって あの地平線の彼方にしかないんだし はぐれやさぐれこぶしを回し うなり身もだえ地球を回し 死んだ男も逃げた男も 捨てた男も殺したかった男も みんな季節の風のように過ぎていきました だから ひびけ あたしの恋の歌 きらまぼろしの恋の歌 歌っていればあたしはハッピー 月の岩場で雪にふるえる兎だって見えちゃうの 百円シンガー ドサまわり 一期一会の旅暮らし 朝露に咲く野菊のそばの 草にうもれた石碑のように あなたと会う日を待ってます 494 名前:百円シンガー[] 投稿日:2007/03/16(金) 13 58 23 ID Q8rpgeJ9 【コメント】 515 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 05 36 17 ID faWm73RC 494 百円シンガー 演歌調で笑ってしまいました この作品自体 演歌の心 歌ではなかろうか 一曲一人百円なんでしょうか このシンガーに是非 芸名を授けて欲しいなどと思いました ○2点 516 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 06 00 54 ID R7ZIsZC2 494 これは、かの小林よしのりの秘書だった末永直海の小説のタイトルそのままですからね。 私はデビュー作のなんとか賞を受賞した作品を文庫で読んだだけなのでパロディなのかどうかの 判断もつきませんが。しかしリズムは良い。レパートリーは広いよ、と言いつつ古い歌ばっかり だったりするギャグも好調。でもなあ、NHKの朝の連ドラから出た河合美智子がオーロラ輝子の 芸名で紅白まで出ちゃったりね、最近でも天海ゆうきが演歌歌手のドサまわりのドラマ出てたり するでしょ。ちょっとね、前述の末永直海の実体験も含めてアイデアの面で新鮮味がない、と。 522 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 31 53 ID fpudlBHr 494 「百円シンガー」 なんかこれ、百円なら歌って欲しいかも。 ん~でも。そんなに恋にこだわらなくってもいいんじゃないかなとか思ったり。 528 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 17 49 24 ID dgLmBPUT 494 「百円シンガー」 「ひびけ あたしの恋の歌 きらまぼろしの恋の歌」 この二行に込められた高揚に魅せられたでござる。 読んでいて、うまいなー、と何度も思い、拙者、惹きつけられたでござる。 田舎育ちゆえ、この作品の世界が好き、というのも正直ござるな。 532 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 26 18 ID COEV4aQ+ 494 百円シンガー 語呂のいいバラード。 音の良さで点数をいれたくなった (けど 次点) 118 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/03/21(水) 00 50 07 ID h/oQ9JET 百円シンガーがいいと思いました。読んだとき、これジュークボックスの事かな?と思ったのですが 違いますかな。 123 名前:あぶく ◆OPBYKkBBNQ [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 23 43 52 ID MUKf3UeU 男と女のあい~だにはあぁ~~♪ 『百円シンガー』書きました。 まんこ将軍の評のとおり、末永嬢の小説のネタを拝借しました。えへ。 演歌のステレオタイプまんまですが、書きたかったんです~。 竹輪さん、長介さん、点数ありがとうございました。 恋の歌は実際の感情からかけ離れてるのに(私だけか?)なんでこんなにせつないの、ってとこから書き始めました。 私は田舎育ちの田舎暮らしなもんで、オシャレなのは書けません。とほほ。 長介さん、チャンプおめでとうございます。 審査員の皆さん、ありがとう&お疲れさまでした。 118さん、ありがとうございます。 だけど、生身の人間のお話なんです、これ。 131 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/22(木) 23 49 43 ID FNOpywko 123 うー、演歌といえばあぶく氏という気もしたんだけどね、今回俺書いてないから評で自分の言いたい こと言いまくっちゃってさ、ゼッケン氏の指摘にもあったけど「新鮮味」みたいなテーマに整合性を 持たせようとして、とばっちり喰らった作品があぶく氏のだった、とでも思ってやってくださいな。 別に深くて暗い河があるわけじゃなくて。演歌は俺も好き。こぶしが好き。 134 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/03/23(金) 05 03 07 ID 8kLyywU8 123 本当にあぶく殿の詩は、言葉がぴたりぴたりと決まるというか 拙者のツボをいちいち押してくる気がいたすのう。 「出会わなかったひととの思い出に」など、たまらぬフレーズでござる。 【得点】 4点 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:2点 長介ジュニア ◆kuJg2yitX6:2点 ■▲▼ 天国の言葉 地獄の言葉 バベルの塔が崩れ落ちた時 芸術は何をしていたのだろう 言葉にならない思いを伝える すべは他になかったのかな? もしもピアノがあったなら なにかが少し変わったかな? きっとあんまり変わらない たぶん きっと そんな気がする 神様が奪ったのは言葉ではなくて 神様が隠したのは一筋の琴線 人の心の張りの糸 たぶん きっと そんな気がする 隠されたものは いつかは見つかる その人の手には触れられなくても なにかがそっとかすめたなら 震える響きに気がつくだろう そこに思いが宿っていたと だぶん きっと そんな気がする その響きはやわらかに 天国の食卓を満たしている 誰もが知っていて忘れている それと同じ言葉に違いないと たぶん きっと そんな気がする その響きはかなしげに 地獄の食卓を満たしている 誰もが知っていて忘れている それと同じ言葉に違いないと たぶん きっと そんな気もする 496 名前:天国の言葉 地獄の言葉[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 20 24 38 ID N4lyzquo 【コメント】 516 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 06 00 54 ID R7ZIsZC2 496 これね、後に読んだからというわけではなくてね、487氏の「ひびき」でも描かれた、音楽を心の 琴線に喩える発想がね、やっぱり陳腐といえば陳腐なんですよね。ちょっと関係ないこと書いて おくと、こういうお題が出て何か書こうとする場合には、できるだけ発想を飛躍させるのがコツでも あり、また作品の質も高くなりやすいと思います。もちろん発想は平凡でも内容が優れていれば 当然、高く評価はしますけどね。さて、その内容に目を移しますが、ユダヤ・キリスト教的世界観が まず出てきます。この題材もギャンブルですね。一神教的な「神」に反感持つ人、多いですから。 特に日本では。俺がそうなんですけど。でもまあ、偏見捨てて読みますが、するとどうやら芸術と 称されるものに対する批判のように読めるところが嬉しいし楽しい。音学(あえてこの字使います)とか 文学とかなくたって、気づくときは気づくのよ、と。気づける人は気づけるのよ、と。神様が隠したかも しんないけど大丈夫なんだよ、と。大賛成ですね、これ。いいこと言ってます。しかししかし最後の 天国と地獄を対比させた二つの連がなあ、もろにキリスト教的価値観で。やわらかい感じの音は天国 のテーブルで悲しげなメロディは地獄の食卓。もちろん一時的にはそうなんだと思いますけどね。 でも悲しさがやわらかさに変わったり流転していく感覚が私のような典型的アニミズム人間には欲しい ところで。すっきりと善悪の二分法みたいので分けられたまま動かない、という印象の終わり方に少し 不満が残るのであります。でも芸術批判の部分楽しめたから加点しちゃう。1点。 517 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 06 35 52 ID faWm73RC 496 「天国の言葉 地獄の言葉」 主張の部分と自分で打ち出したと思われる答えを>たぶん きっと そんな気もする という語句で締めながらの手法は内容に合っていて良いと思いました 1~4行目までのすばらしさに感銘を受けました 芸術 音楽 神 天国 地獄と 続く流れもまた無理が無いと思います ○1点 522 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 31 53 ID fpudlBHr 496 「天国の言葉 地獄の言葉」 バベルの塔と天国と地獄の食卓、 二つを結び付けるには、ちょっとムリがあったんじゃないかなあ? 529 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 17 51 10 ID dgLmBPUT 496 「天国の言葉・地獄の言葉」 ちと言葉や構想が素直にすぎる気はするのでござるが そのぶん、まっすぐ伸びる思考が読んでいて気持ちよい詩でござった。 532 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 26 18 ID COEV4aQ+ 496 天国の言葉地獄の言葉 読みにくい。 【得点】 2点 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:1点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点 ■▲▼ ポジティブ・変拍子 ナ,ナ,ナ,ナナ ナナナナ ナ,ナ,ナ,ナナ ハハハ 夕陽かぶったじゃんけんの拳 「ち・よ・こ・れ・い・と!」 トンネルの影に潜り込んで 「また明日ネ、じゃあね!」って笑う あいつらの笑顔は余韻となって 夢の中 夜は一瞬 朝はいつの間にかそこにいる ナ,ナ,ナ,ナナ ナナナナ ナ,ナ,ナ,ナナ ハハハ 一時限目は国語だ 全く反面教師だな 二時限目は算数 忘れ物20/30人 三時限目は体育 ちょっと足を捻ったミタイ 四時限目は音楽 鑑賞って眠くなるンよね 短縮授業で早く終わると 得した気分になるのはなんでだ? ナ,ナ,ナ,ナナ ナナナナ ナ,ナ,ナ,ナナ ハハハ 石蹴りの石 排水溝に飲まれ 「カタン・ポキャン」無邪気な音と共に 或いは駐車中の車に体当たりして 「また月曜日!ンじゃねッ」って叫んだら 頭の中に宿題が降り積もっていく ナ,ナ,ナ,ナナ ナナナナ ナ,ナ,ナ,ナナ ハハハ つまんないこと考えなくていい でも宿題はやっておこう また明日、笑って過ごせるように ナ,ナ,ナ,ナナ ナナナナ ナ,ナ,ナ,ナナ ナ―ハハ! 499 名前:ポジティブ・変拍子[] 投稿日:2007/03/16(金) 22 09 19 ID hRXRdIFZ 【コメント】 517 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 06 35 52 ID faWm73RC 499「ポジティブ・変拍子」 字面の並びが綺麗ですが第一印象 能天気さとリズムが勝負どころの作品ですね 読んでいるこちらまでつられてしまう調子 学生ならではのテンポというのもおかしいかも 分かりませんが 会話や簡略された授業の様子 帰り道など いい味を出しているね 音楽というよりはむしろ 青春のテンポというものを強く感じました ○1点 518 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 06 45 38 ID R7ZIsZC2 499 これはもう、「もったいない!」のひと言。いや、ケニアのノーベル賞の人の話じゃなくて。 なんで「変拍子」をタイトルに使っといて「ナナナ」の部分をもっといじらなかったのか、と。 もうね、この「ナナナ」がすんばらしいわけよ。古くはスティームの「ナ・ナ・ヘイヘイ・キスヒム・グッバイ」と いうバナナラマもカバーしてた曲とかさ、有名どころでビートルズの「ヘイ・ジュード」とかね、あるいは J・ガイルズ・バンドで「堕ちた天使」ね。名曲にはよく「ナナナ」の「Bomp」というものが出てきます。 だからほぼ名曲決定だったのに、変拍子とか入れるならもっとエマーソンレイク&パーマーみたいに しないとおかしいわけ。最後のエンディングだけ変えてもそれは変拍子とは言いません。だー、惜しい。 いいんだよ、これ。全体的に優れてるんだよ、これ。小学生の頃を思い出しますよ、これ。 読んでて無条件に楽しい。あなたの、そして俺の幼年期が愛しい。つまり技術も構成も感動ポイントも すべて備わっている。なのに変拍子がもっとボコボコ出てきてほしいのに出てこない。体育で足ひねって 痛くて保健室かなんか行く場面作って、そこで「ナ・ナ・・ナ・・・・ナ」とか足引きずってみせるとかさ、 短縮授業で早く終わると得した気分なんて当たり前なんだからそんなの削って「ナナ・ナ・ナナ・ナ・ナナ・ナ!」 とかスキップしてみせるとかだね、これだけ書ける人なら出来るだろ、っての。 タイトルだな、結局。変拍子の言葉さえなければ点数入れた。ナナナボンプを変化させなかったから加点なし。 522 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 31 53 ID fpudlBHr 499 「ポジティブ・変拍子」 なんかいいなぁ。元気だなぁ。今時の子供もこんな風に元気なのかなぁ? 最近、遊びまわる子供の姿を見かけないから、なんか懐かしく感じられた。 なんだかんだで宿題をやる良い子なあたりも、大人が懐かしんで書いてる雰囲気がした。 いや自分はあんまり、良い子ではなかったもので。 532 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 26 18 ID COEV4aQ+ 499 ポジディプ変拍子 懐かしい。。。 536 名前: ◆OPBYKkBBNQ [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 23 55 44 ID fhcGy0zF ※一点 499ポジティブ・変拍子 楽しいですねー。 家と学校がほとんど世界のすべてだった子供の頃が懐かしい…。 【得点】 3点 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:1点 シオン ◆poetsyov/2:1点 ◆OPBYKkBBNQ:1点 ■▲▼ lady maid いつものサンマルクカフェのまえ 死ぬのはいつも他人ばかり なんだかおしっこの匂いがする商店街の つみ重ねられた赤レンガの壁のみぞを目じるしに どのくらい伸びたかなんてやってみたかったから そのまえでとおせんぼうしている 気ちがいみたいに陳列されたタバコの自販機を ずっと蹴り飛ばしたりしてみた朝方でした いいえ しつけの悪い犬に与えられているみたいで嫌だったから もらったカプセルはいつも向かいの席にすわる人の 土のなかへ埋めておくことにしています 眼球のうらからしびれ くしゃんと心臓が音をたて からだのなかをまぶしてゆくような あの子の貧乏ゆすりだけが好きでした いつものサンマルクカフェのまえ あのころからどうしても会話をしてくれない 三十度もかたむかなかった腕にこびりつく針を ぷつんとさしてみた昼下がりでした いいえ 気がついたら眼球からきれいに剥離したものが そこにあるものを見えなくしてしまうから そんなときはガムテープであたまをぐるぐる巻きにしています うすい玻璃に閉じこめられた線のけものたちが蠢いている あの窓がステンドグラスに見えているのだ やめて、暗くしないで 閉鎖されたカーテンからの木漏れ日 そこから草花たちが嗤う 緑淫 ひどく濃い空気 内包突き抜け 同じ、眠らないままのモノ 同じ、眠ったままのモノ モノ 頻りに製造される満月 うすい玻璃に閉じこめられた線のけものたちが蠢いている おかあさんどうしてひとみがないの おとうさんどうしてみみがないの ねえどうして おしえて どうしてうんだの? ほんとうにうんだの? なんだかおしっこの匂いがする商店街の つみ重ねられた赤レンガの壁をとおせんぼうしている 気ちがいみたいに陳列されたタバコの自販機を見つめて あの子が吸っていたタバコのボタンをずっと押してみた夜前でした いいえ たとえばそれは延々と使いまわされるパセリ ちょこんと可愛くお皿にのってからフォークで端に寄せられ ずっと食べ終わるのをまっていればいいという嘘を最近までついていました ほんとうは向かいの席にすわる人の椅子に取りつけられた雄ねじと雌ねじそれだけです なんだかおしっこの匂いがする商店街の つみ重ねられた赤レンガの壁をとおせんぼうしている 気ちがいみたいに陳列されたタバコの自販機をすっととおり抜け いつものサンマルクカフェのまえ なんとなくひさしぶりに近道をしてみた昼下がりでした 向かいの席にすわる人の椅子に座ってみました あの子の眼球の奇跡をずっと探していました きれいに剥離したものがまだわだかまっていました 雄ねじと雌ねじの鉄のにおいを指に擦りつけました あの子の貧乏ゆすりだけが好きでした いいえ あの子と会うまで繰り返されていた音楽は 佐々倉さんの家 娘さんはとてもいい子なのにね それだけです 伸びていくのが分かりました はい アルバイトをするのは始めてです 業務員用の便器の水がうずを巻いて流れてゆきます なんだかあの子の貧乏ゆすりに似ている気がして そこに見えないイヤホンを伸ばして 今朝もいつものサンマルクカフェのまえ きっとあの子が捨てていったレシートを 箒ではいてゴミ箱に捨てています 500 名前:lady maid 1/3[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 23 58 32 ID CIzwmqAA 501 名前:lady maid 2/3[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 23 59 43 ID CIzwmqAA 502 名前:lady maid 3/3[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 00 00 20 ID CIzwmqAA 【コメント】 517 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 06 35 52 ID faWm73RC 500-502 「lady maid」 ずこーんと響いてくる重さではないのですが 音楽がドアの隙間からこぼれて彷徨う 新しくも無い街に迷い込んだときに感じる空気が醸し出されていて話に引き込まれた 言い回しがとても巧いのと フレーズの繰り返しで眩暈がするような脱力と無音の悲鳴じみた ものが 読後残りました 程よい加減でつるりと話の中に入っていけたのは作者さんの 読ませる文章力からだと思います ○ 1点 519 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 07 33 42 ID R7ZIsZC2 500-502 うーむ。これはまるで「詩」みたいである。いや、嫌味じゃなくて。 しかし「詩」みたいなものは評文が難しい。はっきり言っちゃうと書くことなくて困る。 そこで構成という一点に絞って少し書き始めてみよう。まず誰でも目につくのは繰り返しの部分。 おしっこの匂いの商店街にある自動販売機。もちろんここに語り手だかあの子だかの、成長記録 のようなものが段階を追ってるのか、時系列破壊してんのかまで深く読む気もないのだが、 とにかく反映されている。それと「いいえ」から始まる萩原朔太郎の「いいえ、子供」みたいな、 つまりいかにも「詩」みたいな連がやっぱり繰り返されていく。「自動販売機」を1として「いいえ」を 2として並べてみよう。 ・プロローグ ・1 ・2 ・昼下がり ・2 ・転調部分 ・1 ・2 ・1 ・向かいの人の話(2で何度か語られている) ・2 ・反転部分 ・エピローグ どうもリズムが作れているようでところどころで破綻している。もちろんお題の音楽と絡めて 考えれば、これこそが変拍子を意図的に狙っているのかもしれない。しかし私には成功している 構成とは思えない。なんとなく目につくキーワードを拾いながら全体をぼんやり眺めていると、 これはやはり語り手の物語というよりも「あの子」の成長の物語構造を孕んでいて、それはタイトルの 「レディメイド」が既製品の方の「readymaid」でなく「lady maid」、つまりメイドを分詞的に考えれば 作られたお嬢様、みたいな意味にも取れるからである。レディーズメイドだとそのままメイドさんなのだが、 最後、アルバイトが出てくるからなあ、そういう意味もかけてるかもしんないし、普通に文章としてレディが 作った(何か)とでも考えれば、やはり語り手がレディ見ててバイト始めたのかなあ、と思ったりなんかして、 つまりは混乱する。フレーズは印象的なものも多いが、俺なら電波スレに一行ずつ投稿するようなもの であり、私は特に感心しない。結局だらだら書いてみたが、こういう詩みたいな作品は好き嫌いを書くしか なく、本当は嫌いのひと言で済ませたかったのだが、最後だから色々書いてみちゃった。 523 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22 33 14 ID fpudlBHr 500-502 「lady maid」 詩的表現に幾つか分からないところがあったけれど、 それでも何があっても生きていかなきゃいけないわけだし、 大人にもなっていくんだろうなぁと。 漠然とした諦観を感じた。うまくいえないけど。 527 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 12 09 10 ID kQVK9M1c 500-502 「lady maid」 1点 すごく読みにくかったのですが、ところどころ好きです。 500-502 「lady maid」 言葉が呪力をおびている詩でござる。 これを書かれた方は、何を書いても詩になる方ではあるまいか。 ただ、音楽の出番はほとんどなかったでござるな。 532 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21 26 18 ID COEV4aQ+ 500 lady maid この詩は、この詩全体が一つのカノンのような気がする。 繰り返されるフレーズ、少しゴシックロマンな断片化したイメージ。 匂いが効果的に使われて、妙に生理的な現実感が加味されて感覚的に訴える。 端正な口調は、数人で演奏されているクラッシク音楽のようだった。 繰り返して読みたいと思った作品。 2点 536 名前: ◆OPBYKkBBNQ [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 23 55 44 ID fhcGy0zF ※一点 500-502lady maid なんか病的だけど(作品ね)うまいなぁ。 【得点】 6点 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:1点 ゼッケン ◆ZkkenDgUE6:1点 長介ジュニア ◆kuJg2yitX6:1点 葉土 ◆Rain/1Ex.w:2点 ◆OPBYKkBBNQ:1点 前へ ← 1 2 3 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/612.html
1 2 3 → 次へ お題 煙草 開催期間 07/02/12~07/02/23 参加作品数 20 審査員 7人 本スレ 18の330-409 議論スレ 14の814-839 【チャンプ】 紫煙の行方(まんこ└将軍):11点 【準チャンプ】 今週のハイライト(ゼッケン):7点 作品一覧 No. タイトル 作者 点数 332 えん幕 類 1 333 最後の炎 - 5 334 a packet of cigarettes - 2 335 弔い - 1 336-337 あるパン工場の休憩風景 鞭 - 338 名前はいらない - 4 346 中村仲蔵 - - 354-355 手紙 心霊写真 4 357 階下にて - 5 360-361 無題 eng - 363-364 今週のハイライト ゼッケン 7 367 みち - 1 368-369 紫煙の行方 まんこ└将軍 11 370-372 落日 やさしいあくま 2 374 カモメ あぷく ◆CeJ6D/I4qE 1 375 墓前にて - 2 376 お小遣い制度 Lights 3 378-380 君と煙草と灰 - 3 381 吸いさしの煙草 あぶく ◆OPBYKkBBNQ 2 382 路上喫煙禁止区域 - - (註:360は作者ばれ、382は締め切りオーバーで失格です) 【審査員】 シオン ◆poetsyov/2 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 ◆OPBYKkBBNQ あばらや ◆61ynRipd12 アルペジオ ◆UfM5Clgw1I 【採点レス】 386 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00 36 00 ID YYY60V9C 【3点】 378-380 「君と煙草と灰」 (作中に引き込まれたので) 【2点】 381 吸いさしの煙草 (香る艶に) 【1点】 335 弔い (印象的なフレーズに) 363-364 今週のハイライト(ノリの良さに) 368-369 紫煙の行方 (潔い悟りに) 370-372 落日 (乾いた痛みに) 395 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 12 06 25 ID W6E3uGO5 3点 333 2点 338 363-364 1点 332 334 374 375 376 396 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [] 投稿日:2007/02/21(水) 14 10 03 ID aZn2wNoX 3点 368 -369:紫煙の行方 2点 354 -355:手紙 1点 333 :最後の炎 376 :お小遣い制度 400 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/22(木) 03 45 08 ID 7pB6n1Vh 2点 357 「階下にて」 1点 338 「アティテュード」 363-364 今週のハイライト 375 墓前にて 403 名前: ◆OPBYKkBBNQ [] 投稿日:2007/02/23(金) 16 43 40 ID fLYHaLqJ ※なんで上限三点なんだっ!の三点 368-369紫煙の行方 ※一点 363-364今週のハイライト 367みち 376お小遣制度 404 名前:あばらや ◆61ynRipd12 [sag] 投稿日:2007/02/23(金) 21 24 57 ID xA6Kpa4R 334 「a packet of cigarettes」1点 素直にお題に向き合っていてさわやかです。 338 「アティテュード」1点 タバコの事ではないだろうけど、怒りが伝わってきます。 354 「手紙」2点 意味不明だが剃刀で浅く指先を切ったような読後感が残る。 363ー364 「今週のハイライト」 爆笑。言葉の威力。 368ー369 「紫煙の行方」2点 タバコの苦味が舌先に感じられる。お題の消化の仕方がダントツに上手い。 405 名前:アルペジオ ◆UfM5Clgw1I [age] 投稿日:2007/02/23(金) 23 41 19 ID uJz3DNlE 【金賞】 3点 357 「階下にて」 【銀賞】 2点 363-364 今週のハイライト 368-369 紫煙の行方 【銅賞】 1点 370-372 落日 333 最後の炎 作品 ■▲▼ えん幕 前が見えなくなってるじゃないか 視力はいくつなんですか、と聞きたい 眼鏡かけろよ、いい加減 子供にとっちゃ、どうでもいいんだな 純真で純粋で純正じゃないか きっと遠くまで見えるんだろうな たとえ意味がわかんなくても 大人たちは煙草をふかして顔を隠して、 見えない相手に媚びへつらって、 臭いよ、臭うよ、きっと腐ってるよ。 ずっと前はきれいだったのに。 332 名前:えん幕[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 19 36 34 ID S3GCOXhl 【コメント】 384 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00 32 25 ID YYY60V9C 332 えん幕 煙幕で見えなくなっている人には、眼鏡を勧めてもダメじゃないかな? 言いたいことは分からなくもないんだけれど、全体に散漫な印象。 子供と大人の対比が字面だけに留まって、伝わってこないからかな? 388 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 06 48 39 ID W6E3uGO5 332 薄汚い大人への皮肉を煙草→煙幕という連想でコンパクトにまとめております。 即興力、反射神経というものを私も高く評価しますので一番最初のこの作品には1点。 389 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/21(水) 06 48 59 ID 0mKI5poV 332 えん幕 大人の目線から見えない紫煙を隔てたその心理的距離を描きたかったのかと読み取りました 大人と自覚を持つ瞬間に表情としての狡さを手にいれて大人と呼ばれ始めるような気がするよ 隠すように吸うその煙草の煙を煙幕と捉えて飾りもなく書いた文章が素直と思います 818 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 04 37 31 ID dWboxjAm 332 えん幕 前三連の有用性が今一見えてきません。 特に、一連目、二連目では、描写が足りないのか、状況が今一理解できません。 いい加減、ということには、親……なのでしょうか。 やはり確信には至りませんが。 言いたいことは、きっと後ろ二連でしょう。 ここに全てが集結しているので、かえって前が蛇足に見えます。 後ろ二連での、煙草をモチーフにした、 大人と「ずっと前」の対比は、 擦り切れたテーマにしては秀逸だと思います。 それが前半の説明不足により色褪せてしまっているのが残念。 830 名前:類 ◆O////O//l. [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 10 23 36 ID WrLme6ZG はい、えん幕書きました。 ぶっちゃけ、何も言えません。どう見ても推敲不足です。 常識的に考えても、これは2レス構成にすべきでした。 反省点が多杉て、自己嫌悪中です。本当にありが(ry 【得点】 1点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点 ■▲▼ 最後の炎 僕はライターをつけた 熱い炎があたりを明るくした 明かりの端のほうには 真っ赤に染まった友達がいた 炎の周りだけ若干暖かい 炎を見ていると 心も温かくなってきた 目からは暖かくも冷たい涙がこぼれ落ちる ライターにも熱がこもってきた このライターをくれた彼女は もう人の形をしてなかった 弱まる炎 今の僕のよう いづれこの炎も消えてしまうだろう 消えてしまう前に最後の一服 禁煙中だが最後くらいいいだろう タバコに火をつけたら 炎も消えてしまった 真っ暗になったオフィス 僕はただただ泣いていた テロによって崩れたビル その一室で最後を過ごす僕 ああタバコがうまい・・・ 333 名前:最後の炎[] 投稿日:2007/02/12(月) 20 21 58 ID +yGxthVD 【コメント】 384 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00 32 25 ID YYY60V9C 333 最後の炎 これも言いたいことは分かるんだけど。中途半端な印象。 一人称で語られる状況説明が、いかにも状況説明っぽいからかな? 温まった心や、タバコのうまさが伝わってこなかった。 388 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 06 48 39 ID W6E3uGO5 333 これは構成の勝利でありましょう。何気ない幕開けから恐ろしい描写へ、そして徐々に 設定を明らかにしていくという王道ではあれど確かな技術。二連の種明かしで終了して いたら薄くなるところを、三連の一行で余韻深く締めたあたりも効果的です。3点。 389 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/21(水) 06 48 59 ID 0mKI5poV 333 最後の炎 構成が巧いなと思いました 炎の姿と熱 仄かな明かりそして主人公の心持の温度がじんわり伝わってきます うち消える命の炎と生きているものが吸う煙草の対比は勿論 悲愴という光景に煙草の旨さが響く その様な嘆きともいえる悲しみが闇に広がりやがて忘れ去られるという余韻も残しますね いやおうなしに落下する涙と闇に溶けいる煙が言葉少ない描写の範囲に広がりをもたらしているね 396 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [] 投稿日:2007/02/21(水) 14 10 03 ID aZn2wNoX 1点 333 :最後の炎 ニコラスケイジが出てるWTCの映画見たんだけど、 あんまりおもしろくなかった。こっちの方がこわい。 818 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 04 37 31 ID dWboxjAm 333 最後の炎 「最後」は―意図的に最期ではなく最後になさったのでしょうか? 少なくとも、下から二行目の「最後」くらいは、「最期」にした方が宜しいかと。 かえって意味が取りづらく、読者に優しくない文章になってしまっているように思えます。 ただ、煙草というお題からテロ(911?)を導き出したことは驚愕です。 あと、決してボルテージを上げすぎず、仄かな哀愁を残している、 その、緊張感の保ち方。これは評価に値すると思います。 【得点】 5点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:3点 ゼッケン ◆ZkkenDgUE6:1点 アルペジオ ◆UfM5Clgw1I:1点 ■▲▼ a packet of cigarettes いろんな人の手を経て いろんな人の手が加わって いろんな人が育てて いろんな種類があって いろんなブランドがあって いろんな歴史を経て いろんな人が反対して いろんな人が愛して あなたの手元に渡って あなたの匂いと交じり合って あなたの空気を作り出す 世界にいっぱいあるけど 世界に一つだけをつくりだす 不思議アイテム 私には煙い 334 名前:a packet of cigarettes[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 22 09 29 ID ngwX5Gh/ 【コメント】 384 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00 32 25 ID YYY60V9C 334 a packet of cigarettes 煙草のCMになりそうだね。 細かいことを言うようでアレだけど、「育てて」は最初に書いて欲しかった。 煙草の葉を栽培する農家を思い浮かべてしまったから。 時系列で並べていくと、最初のほうがイメージしやすいような気が。 388 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 06 48 39 ID W6E3uGO5 334 「いろんな」の畳みかけがテンポ良く、しかも読みやすいだけでなく三連の冷静な客観で 深みを与えています。そこから「あなた」へと焦点を切り替えて絞っていく手際も素晴らしく、 しかし不思議アイテムという言葉で総括というのはちょっと、と首を傾げていると、最終行で しっかり笑わせてくれます。タイトルが普通すぎる気はしましたが技術を評価します。1点。 389 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/21(水) 06 48 59 ID 0mKI5poV 334 a packet of cigarettes 大きな範疇から自分には煙いという流れの面白さがありました チョッと大人の演出小道具的な嗜好品でもある訳ですが喫煙者以外には煙たいものが煙草で 全世界間で流通し禁煙運動も盛んになりつつあっても愛好家は後を断ちませんしかし煙いのです 煙いからいいのですがこの煙草という視覚的な煙さを「煙たい」とシンプルに綴ったお陰で ヘビースモーカーのわたくしははっとしたものです 「煙い」などと今まで気が付かなかったわってね リズムも良く読みやすくてよかったです 404 名前:あばらや ◆61ynRipd12 [sag] 投稿日:2007/02/23(金) 21 24 57 ID xA6Kpa4R 334 「a packet of cigarettes」1点 素直にお題に向き合っていてさわやかです。 818 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 04 37 31 ID dWboxjAm 334 a packet of cigarettes ”いろんな”から”あなたへ”への移行は巧いと思います。 散らばっていたものが、一気に収束するようで、心地よいです。 ただ、なんとなく中途半端な印象です。 結局説明だけに終始しているように思えます。 全体を通しての展開が薄いというのか……。 もうひとつ、濃厚なイメージが欲しいのです。 【得点】 2点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点 あばらや ◆61ynRipd12:1点 ■▲▼ 弔い あの日の姿を 煙に巻こう 頑なな実線を 焦がすように まぶた閉じても 眼が痛い 火傷したことなんて 無いはずなのに さよならだけは 告げなかったね 乱れた呼吸を 振り切ったときも ―――なぁ 好きだったんだろ?――― 振り返る 同じような寒空の下 残していった それに火を 見上げれば 新たな星座が瞬いて あの日の姿は 煙に巻けない 棚引く白煙は ただただ真っ直ぐ まぶた閉じても 消えはしない 頑なな実線は もう無いはずなのに 335 名前:弔い[sage] 投稿日:2007/02/13(火) 01 26 05 ID RM44QSFn 【コメント】 384 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00 32 25 ID YYY60V9C 335 弔い 頑なな実線は、煙草なのかな? 亡き人なのかな? 他にも頭に残るフレーズと、雰囲気があっていいなぁ。 386 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00 36 00 ID YYY60V9C 【1点】 335 弔い (印象的なフレーズに) 388 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 06 48 39 ID W6E3uGO5 335 失恋話のようですがタイトルが重すぎるので余分な重圧感に支配されてしまったように 思えます。頑なな実線、という言葉が詩的言語過ぎて逆に浮いて見えてしまうのも難点の ような気もいたします。しかし煙に巻く、という軽やかな言い回しが煙草との関連も含めて 秀逸なので、一行目のようなムードで最後まで押し切っていたら粗も目立たなかったかも しれません。逆に言えば大切な一行目とそれ以下の乖離がもったいないと感じました。 389 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/21(水) 06 48 59 ID 0mKI5poV 335 弔い 頑なな実線 この言葉が全てな作品だと思いました 最初と最後に出てくる言葉なのですがこれが抽象的ににしか受けとれず 実線の不明確さが逆に言葉の素敵さを削いでしまったかの様に思えたのです 棚引く白煙と実線 これが異質であると思えて決まりが悪く感じた原因なのですが 内容は煙草の持つ雰囲気がうまくかもし出されていて 心情としては切ない景色が思い浮かびます 青い空と白い煙が 別離の質が重い割にはさらりとしていて今の季節の詩として雰囲気がありました 819 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 04 38 22 ID dWboxjAm 335 弔い テンポがいい。 読者に訴える力、 作品に対して特別な好意を抱かせるには、 もう少しそれが必要だとは思いますが、 充分に魅力的な空気を持っていると思います。 しかし、残念なのが、読者と作者の距離が遠いこと。 つまり、読者に「伝わる」、それが充分でないことです。 なんとなく解るような、そうでもないような、靄に巻かれた不快感が拭えません。 端的に申上げますと、もっと明快な文にして頂くと、さらに良くなると思うわけです。 たとえば、「あの日」の中身を描写して欲しかったりするのです。 そのために文が長くなるデメリットよりも、 そこで描くことの出来る世界観の可能性、そのメリットの方が大きいと思います。 【得点】 1点 シオン ◆poetsyov/2:1点 ■▲▼ あるパン工場の休憩風景 耳をつんざくようなベルが鳴る。煩い。 昼休みの時間だ。 従業員は工場長と私の二人しかいないんだから、 わざわざベルを鳴らさなくてもいいものを。 「休憩行ってきます」 「ん?あ、むが、あああ」 ぼけてんのかこのジジイ。 さっきからずうっとパン生地こねてやがる。 私は裏口から外に出ると、 胸ポケットから煙草を取り出した。 火をつけて、唇に運ぶ。 息をすると、すう、と体温が下がるのを感じる。 放浪癖の彼氏はなかなか会いに来ないし、 耄碌ジジイは私をこき使うわで、 ストレスは溜まりっぱなしなのに、 明るく振る舞わなきゃいけないところが 私の役割の辛いところ。 やりきれない時はこうして一服、 最近ではこの回数も増えてきたけれど。 ふ、と煙草のパッケージを見る。 目に映るのは『HOPE』の文字。 皮肉な話だ、 『希望』を与える手助けをしている私が 『希望』を消費しているなんて。 「おーい!」 痴呆工場長の声だ。やけに張り切っている。 どうせまた出張宅配もとい出動だ。 昼休みはまだあるのに、時間外労働だ、訴えるぞ。 なんて。 私は自嘲気味に笑い、 まだ半分も吸ってない、 自分とよく似た名前の嗜好品を地面に落とし、 ざり。 踏みつけた。 336 名前:あるパン工場の休憩風景 (1/2)[sage] 投稿日:2007/02/13(火) 18 54 38 ID GxQF14hd 337 名前:あるパン工場の休憩風景 (2/2)[sage] 投稿日:2007/02/13(火) 18 55 58 ID GxQF14hd 【コメント】 384 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00 32 25 ID YYY60V9C 336-337 あるパン工場の休憩風景 短編小説の一節のようだ。 なんていうか、これだけでは起承転結がないような。 390 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 07 42 23 ID W6E3uGO5 336-337 非常に読みやすく、軽快に日常のひとコマを切り取ったところは高評価です。 しかし7連の「HOPE」という銘柄から「希望」の直訳を思い出す箇所は、どうしても 寺山修二の「ホープというけど希望はない ピースというけど平和じゃない」という 私にとっては有名なフレーズを思い出してしまうので残念です。また、この話の流れで 言えば、工場長とのある種の和解のようなものが最後にあれば読後感も良かったのですが。 391 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/21(水) 07 42 34 ID 0mKI5poV 336-337 あるパン工場の休憩風景 希望を吸って吐き出して踏み潰す ホープという銘柄 名前と合っているのかそぐわないか 分からないけどやけにきっつい煙草だという印象があるんた 仕事の休憩時間にね煙草ぷかぁ~タイムは スモーカーにとって憩いの時ホッとするけれど日々の生活の中で希望というものさえ 吸い捨てられる吸い殻みたいで 希望という文字さえパン工場で労働をしつつもどかしく映りそれでも生きていくいかなくちゃならないんだという 希望を吸い込んで溜め息を吐き出す仕草が感じとれて倦怠めいた煙草の煙を纏った姿でパンの製造をする 人間がこの物語の延長上にあると読み取りました 819 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 04 38 22 ID dWboxjAm 336-337 あるパン工場の休憩風景 少し、説明が過ぎるような気がします。 そのせいか、「放浪癖の彼氏」や「出張宅配」など、 ある程度の長さの小説ならいいのですが、 詩という形式ではとても消化できそうにない伏線が敷かれてしまっています。 あるルーティンの一片を半ば動画のように抜き出す手法は巧いのですが、 なぜこれを、改行をきちっとして、わざわざ「詩」として書かなければならないのか。 それが疑問でなりません。 素直に書いていれば短編小説のようになったはずのものを、 無理やり詩にもってきて歪めてしまった印象。 そのまま、素直に、いろいろな設定などを整えて、 小説として読めたら面白そうなのですけれども。 831 名前:鞭 ◆ILLsmD2C1w [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 15 53 56 ID cfmgVFLb ども、『あるパン工場の休憩風景』書きました 審査・集計お疲れ様です まんこ将軍さんおめでとうございます ダメダメでした・・・自分でお題出しておきながら。精進します 楽しかったです。ありがとう 837 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/25(日) 22 37 05 ID 8lv/C1Ph 831 どもです。でも、読ませてもらった側からすると、そんなにダメダメとは思ってないっすよ。 ■▲▼ 名前はいらない 「アティテュード」 あんた吸った事あるの?って 非生産的な事はしないんだってね 知りもしない癖に訳知り顔でのたまうのは 「意思が弱いんだ」ってバカの一つ覚えみたいに ねえ 他人の迷惑だとか そんな事は充分にわかってるさ だけどさ 子供じみて聞こえるだろうけど 例えばバカな親に躾けられたガキとか どうしようもない体臭だとか 我慢してたりするんだよ その事について考えたりする事はある? 子供を育てた事無くても自分の子供の頃を思えば その大変さは解るさ 変えようの無い容貌に落胆する日があれば 体臭のどうにもならなさはわかるさ 想像力の問題だって 想像力だけで方付けられちゃ堪らない その意思があるなら吸ってみれば? 中毒性には負けないんだろうきっと それだけ他人を批判出来るなら 大丈夫だろう 「馬鹿馬鹿しい」そんな風に言ったら済む話かい ねえ 切り取れば問題は単純になるけれど それは君の姿勢にも 繋がるんだ 飛躍して聞こえるかもしれないけど 君は芋虫なんて食べない 「気持悪い」なんて たった一言で主食にする人を否定できるんだ そんな風に考えた事はある? 狭い視界の中で思考巡らせただけで 揺ぎ無い価値観を抱いてるつもりだったかい? こんなもん勧めやしないよ 世間の扱い見りゃ充分理解できる 追いやられた狭い端っこの「喫煙室」なんて名前与えられた豚小屋で 白い煙吐き出して カオスだなんて思いながら ビタミン壊して 肺を黒くしてるだけなんだ 判ってるよそんな事は 君よりも そんな当たり前の事を指摘する前に ねえ 君はもっと知るべき事も やるべき事もあるんじゃないか? 煙草吸う誰かが君に不快な思いさせたら謝るしかないけれど 君は同じように誰かに不快な思いをさせているんだって 知ってる? 338 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/02/13(火) 23 11 02 ID /pDUPvdP 【コメント】 384 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00 32 25 ID YYY60V9C 338 名前はいらない う~ん、この読後感の悪さはなんだろう? 390 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 07 42 23 ID W6E3uGO5 338 これは私にとってはとても共感できるメッセージであります。私ならばもっと毒を吐きまくって この種の表現をしてしまうでしょうが、作者は嫌煙論者の思考のアティチュードに絞って、 自嘲を交えながらも実は理詰めに、そしてリズムに乗ってよどみなく言いたいことを言い切って おります。体臭についてのくだりは少し説得力に欠けてしまうかもしれませんが。2点。 391 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/21(水) 07 42 34 ID 0mKI5poV 338 「アティテュード」 非喫煙者から煙草喫煙者に対して問題提示をしていると読みました 何気無く書き進めかたが巧いですね 意思が弱いから吸い続ける喫煙者よりも中毒性のあるものをそもそも人間って欲しているふしがあって その中の一つに煙草があり 吸う人にも周りにも害を与えるに関わらずすっちゃうんだよね とこれが煙草なんだけど禁煙を促す作品でもこういったものだと素直に読めました しかぁし手遅れな程に苦しまないと禁煙は止めないのがスモーカーなのである 404 名前:あばらや ◆61ynRipd12 [sag] 投稿日:2007/02/23(金) 21 24 57 ID xA6Kpa4R 338 「アティテュード」1点 タバコの事ではないだろうけど、怒りが伝わってきます。 820 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 04 38 52 ID dWboxjAm 338 アティテュード 喫煙者→嫌煙 のメッセージ。しかもかなり辛口な。 そういう意味では面白いと感じました。 けれども、作中に登場する「君」の言葉があまりにも少なすぎるように思えます。 「意志が弱いんだ」と「馬鹿馬鹿しい」(こっちは確証がもてません)くらいでしょうか。 この作品は、君と主人公のやりとりの末にあるように思えるのですが、 そのやりとりが隠されてしまっている、つまり、結果だけが見せられているようなので、 今一、どういう状況になっているのか把握できない、故に、物足りなさを感じてしまいます。 折角の話し言葉なのですから、 もう少しスマートにして、君、つまり嫌煙者の領域を確保する事により、 読者に俯瞰させるような構図をお作りになると良いかと。 対話形式の俯瞰となれば、読者の理解度も増しますし、自然と説得力が生じます。 そして何より、親しみやすい展開を作れますから。 あまりに一方的ですと、なんとなく受け入れがたくなってしまうのです。 日本人は、いえ、少なくとも僕は、どちらかというと判官びいきの相があるようなので……。 【得点】 4点 まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:2点 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:1点 あばらや ◆61ynRipd12:1点 1 2 3 → 次へ ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/463.html
作成中です・・・ ページ:1 2 3 4 作品 ■▲▼ 春の城 652 名前:春の城[] 投稿日:03/03/22 13 47 ID ubmWkI/6 快速電車を待つ間 眺めています腐った異人館 薄緑の破れカーテンが白々しく 唾の指で開きそうな硝子窓 鬱蒼せまる後の深緑 食っているのです昨日より 蛇をくわえた瓜坊が戸をノックします 蝸牛が剥げた窓枠で喧嘩をします 退屈な猫が床の穴を飛び越えます 死んだ駅員が朝の一皿を運びます お城に変えてしまおうかしら 乳色塗料と耐水ニスが要ると思うのです 煙突みたいなのもぶち抜こうと思うのです 春風が霧に割り込んで 再び動き出す特急電車 あなた私に恋をしましたね 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 旅の形式(しきたり) 660 名前:旅の形式(しきたり)[] 投稿日:03/03/23 01 50 ID eq+CTA2f 人生は旅だよ かわいい子 世間を知るなら 旅行がいいよ 人の形式(しきたり) 人の慕情(なさけ) 旅の終わりに きっと何かをつかむよ 終わりの来るのが 悲しくなるような 面白い旅をしてほしい だが実際は きっとの早く終わりにしたくなるような 事もあるだろう それもまた いい勉強さ 帰ってくるのを 待ってるよ いやでも終わりがあるんだ 好きなだけ歩いていい それはお前の 旅だからかわいい子 旅の終わりに きっと何かをつかむよ もう一つ帰るところがあるとは知らないだろ その旅の終わりはいつか悟るだろう まあ嫌でも知るだろう 終わりを見るのが旅だからね 好き勝手に歩き回った旅の望みが 外からのルールだったとしても さあ旅の終わりをそして笑顔で帰っておいで 終わりは旅の価値を決める 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 逃げろ 662 名前:逃げろ[sage] 投稿日:03/03/23 02 03 ID DSXqKYsH 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げて 逃げろ 逃げて 逃げろ 逃げろ 逃げて 逃げて 逃げて 逃げて 逃げて 逃げて 逃げて 逃げろ 逃げろ 逃げて 逃げて 逃げろ 逃げろ 逃げて 逃げて 逃げて 逃げて 逃げて 逃げて 逃げろ 逃げて 逃げて 逃げて 逃げて 逃げろ 逃げろ 逃げて 逃げて 逃げて 逃げて 逃げて 逃げろ 逃げろ 逃げて 逃げろ 逃げろ 逃げろ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 優しい嘘と静かな矛盾 665 名前:優しい嘘と静かな矛盾[sage] 投稿日:03/03/23 13 44 ID 62AXTVvK 優しい嘘と静かな矛盾の狭間に存在する僕らは 何時も沢山の言葉に囲まれている 綺麗な言葉 醜い言葉 その言葉達を上手く操ろうと 試行錯誤を繰り返した挙句 自分勝手に勇気を持ち 自分勝手に傷つく 僕らは未だ本当の絶望も希望も持たぬまま 嫌な大人達に世界に飛ばされ 右も左も分からないまま 自由に人を殺していく そんな狂った世界の中で僕は思う 絶望とは何か 希望とは何か 大人は何を教えたか 子供は何を知ったか 未だ覚めぬ夢の中 優しい嘘と静かな矛盾の狭間で 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 豊穣祭の生贄 667 名前:「豊穣祭の生贄」[sage] 投稿日:03/03/23 23 05 ID MLLFVa+t 繋がり 人々は誰もいなかった鎖の真中 空間抱き寄せた言葉という自己撞着支え その指先にある気流と何かを見ている眼 彼女の左手と右手の中にもない 動詞で または 遠い先から過去へと見通すという魚 赤と青の血管を持たないなんて知っている どちらでもないモノを今発見したかのように はしゃぎ回る気違いじみた祭りの前 その贄 それは十月の 永かったあの湖に映った心臓 大きな影と間に浮かぶ月の幻覚で水底に沈んだ その終わりの波が今ちょうどここに描かれた形をしているらしい 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 16行でわかったこと 669 名前:16行でわかったこと[] 投稿日:03/03/24 01 46 ID 47YkeOWK 生まれてきて 四足で歩き 二足歩行して 母から愛をもらい 父から痛みをもらい 自我の檻を作り出し 友達と恋人と孤独を知って なけなしの金でバイクを買い 遠くまで行こうと旅立って挫折を知った 花を見て枯れ木見て 意味のない自分のろって 首くくろうと決めた桜の木に芽吹いた若葉見て とりあえず生きてみようと 記念にくくっといたロープが 「またな」って 手を振ってた 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 黒い乳首の一生 670 名前:黒い乳首の一生[sage] 投稿日:03/03/24 07 28 ID TD1XacuM 発芽して ふくらみ 花開いて いつかなめられる あやふやだった桃色が 上を向いて張っていた赤色が 蜜蜂をみつけて黒に染まり 蜜蜂に吸われて恍惚としてしなだれ 夢失ってうつむき 重力に垂れて 平等に死を受け入れる地面に いつか落ちて消える しかし黒いタネは残っている 671 名前:黒い乳首の一生(2)[sage] 投稿日:03/03/24 07 39 ID ihV+yKEj いつか発芽して いつかふくらみ いつか花開いて いつかなめられる と限らないにしても 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 伝えたい気持ち 672 名前:伝えたい気持ち[] 投稿日:03/03/24 07 56 ID Fey76MS3 やりきれぬ想い抱えながら さびしい夜もひとりで泣いた しあわせ知らない僕を救い いのちを与えてくれたんだ あんなにも遠く小さな光 なくした何かに重ねてみても たいせつな想い返らぬことに がくぜんとただうなだれて いきることさえ退屈してた つまらない日々脱け出したくて であえなければ気づけなかった もう迷わないと決めたんだ だきしめるたび感じることは いきていること そのあたたかさ すぐにも君に繋がりたくて キスで伝える「ありがとう」 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 名前はいらないという名前もいらないかもしれないがどうでもいい 673 名前:名前はいらないという名前もいらないかもしれないがどうでもいい[sage] 投稿日:03/03/24 08 22 ID pURx9RFb 16行の詩を書くにあたって言いたい事がありながらも胸の奥にしまっておきた い気もする昨今なのだが今日のところはあっちへ行ったりこっちへ行ったりす る事ももしかするともしかするかもところでもしかってどういう事だ?て感じ もあるやも知れずまたもしくは新聞もテレビもラジオすらも縁のない毎日を送っ ていたりするわけなのだがそれはまあこちらの三軒屋公園のあたりの公衆便所の 平行四辺形ABCD各点の交点E方面に潜んでいたりいなかったり黒ひげ危機一髪ゲ ームの情けない顔をした海賊の首がごとく飛び出していたりしてしまうようなそ んな事もままあるだろうドラムカンのミニチュアサイズを丸くドス黒いもので塗 り固めたようななんとも言えない物に置いておくとしてさて今日の議題となるわ けなのだが決して大げさな事をいいたい訳ではなくまた単に最近この場所で点を取 れないのは何故かを訴えたいわけでもなくじゃあお前さんは何を言いたいんだいこ のクソッたれと言われるのをやむなく甘受してそのうち切支丹伴天連どもをイラ クの爆撃の中で応援したいかもしれない症候群またの名をシンドロームなどと言うと 記憶しているのだがそんな事は闇だったり裏だったりするような所で語ってもらうとし てさあ本当に本題に入りたいかな入ろうかな入るのよそうかななどとあれこれ考えてい るうちにちょうど16行目がきてしまった訳なのでそれではみなさんまた今度の機会n 【コメント】 【得点】 0点 ページ:1 2 3 4 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/354.html
ページ:1 2 3 作品 ■▲▼ 四の刺客 奴に教わったおいちょかぶ 白黒赤の渋い札 宝物に生き居る 絵柄黒 線四本の札は一枚足りない 奴への贐とし置き去った ホケッキョゥ 鳴き下手な鶯 親鳥の鳴き真似 聞き入り ホケキョウ 鳴く頃だ 一枚足りぬ札の束 札束代わりにポケット忍ばせ 鳴らし歩く 背中染み入る成り損ね 雨垂れは温い雪 奴が吸っていた銘柄と同じ煙草きつめに吸い 歩む足取りで地に擦り込む アスファルト芽吹き枯れ果てぬ 夢か 真か おいちょかぶのやり方を記憶している 夢でありえなく ひたすら歩く 爪の隠し処が見つからないなんてのは兄ちゃんがまだ若いから仕方ない。手に掴んだ温もりなんてのは、ずっと掴みっぱなしにしとかなけりゃ自分の物にならんよ。 春に巣立つ鳥みたいにな、餌取り要領得りゃ何処かに行っちまうもんだ。おいちょかぶやんねぇか? なぁ、兄ちゃん。兄ちゃんには古臭い遊びかもわからんが、単純で人との出会いみたいな遊びだ。 若かりしき時分、二十歳過ぎた丁度兄ちゃんと同じ年頃の時に覚えた賭事遊びだ。遊興に耽ることが出来るってのはなぁそれなりに幸せで余裕っていう居場所があるからで、そこから抜け出したら只の厄介者扱いだ。 賭博に明け暮れるっていうのはよ、目に朝が刺さって日光に当たるのが恐くなるって事よ。日中にはさっぱり役立たずな目ん玉付けて夜更けに蛍光灯の太陽でその日暮し。小さい箱ん中で暮らしているんだったな。 兄ちゃんにゃ何の恨みもないが、ワシの人相に恐がらない兄ちゃんよ。おいちょかぶ教えてやるからやらねぇか。 ガキを置いて夜逃げした親などさっさと忘れちまいな。クッピンは親の特殊役なんだ、親と言ってもな兄ちゃんの親じゃなくておいちょかぶの親の話。 借金するのにもな才が要る訳だ、一千万迄ならば才など無かろうが定職と保険証で凡人でも借り入れは出来る。 兄ちゃんには恨みも罪もないが、こっちも仕事だ、悪く思わんでくれ。 賭博一通りやってもな七千万の借金作る人はまぁず珍しい、ツキの無さを百万スッた時点で悟るだろうに。 二百万失った時点で開き直ったか、挙げ句はトイチの金利で土地付き押さえても足りない分だ。 巡る因果には偶然という合わせ札、必然という枠の中のもう一枚、二枚、との兼ね合いだ。一枚で成立する役はない。二枚の内一枚は己の出目。巡り合わせと相成る。 兄ちゃんの事は誰も憎んじゃあいない。一人っ子置いて逃げた親を恨め、親とおまえでブタとするほか無かろうに。札の合計がモノをいう、博打の常だ。 若い臓器も角膜も脊椎も高く売れる。若い兄ちゃんに罪もないが逃げた親の代償だ。見ず知らずの他人の体に埋め込まれて生きりゃいい。 パスポートの準備は出来ている、明後日発つまで勝負しないか。 四角黒一枚 只肉体を以て角立つ時世に 悲しみ映さんと 刺客殺め刺客となる 死角此処に在り 俵握り飯四つ目食い歩く 四ツ谷 荒れ果てた戸口の面影 生き居る者あらば其処に見渡し尽くせぬ 死角広がり此れ暗黙のままに 指の腹 こびり付く米粒に歯を立て 食らい 歩く昨日から今日へと我 記憶は今に生き 兄ちゃんのまま 角磨り減らし奴と同じ年の頃合いかとふと思い 景色面変わり果てた中 木造西側一本生えた梅の木 山の崖っ淵よりビルの際に生息した変わりものの鶯を探し 脇の下から腰にかけて隠した短刀の確かなぬくもり 誰でもいいおいちょかぶの相手を探し歩く 如月の四ツ谷 216-217 名前:四の刺客[] 投稿日:2006/02/11(土) 08 46 36 ID MPGQckt8 【コメント】 252 名前:Canopus[] 投稿日:2006/02/19(日) 00 37 04 ID cRYcxBnE 216-217 古風で時代遅れの美学、を表現しようという努力は買うのだが、 設定がまったく承服できない。借金のカタに臓器売買させる金の亡者的手法に は、仁侠の美学もクソもなく、感情移入などできるはずもない。 257 名前:あぶく ◆OPBYKkBBNQ [] 投稿日:2006/02/19(日) 20 33 05 ID e4vsTt2z 216-217四の刺客 読み間違えてるのかもしれないが臆さず書く。 あなたの知らない世界。そそります。泣く児と地頭と法律なんざ知らねーよさんには勝てません。 全編、闇の気配がただよっています。否応なく引きずり込まれた袋小路。親鶯の鳴き声を習得し、清らかに歌おうとしていたはずなのに、もう歌えない。短刀とオイチョカブに絡めとられて、死角を熱にうかされたよーにさまようだけ。 自分を袋小路に追い込んだのが我が親ならば、愛憎の波が尽きることはないでしょう。荒れ果てた家の描写のあとに、米粒の描写。ホケキョウと高らかに歌えない若鶯の哀しみ、苛立ちが重苦しく立ちのぼります。 兄ちゃんにオイチョカブを教えた取り立て屋(?)も見事なキャラ立ち(小説じゃないんだが)で、この人絶対前歯欠けてるよな、とまで思わせます。オイチョカブやんねーかの繰り返しが、脳の焼け具合を示してます。 最終連を読むと、あの取り立て屋も自分の生にケリつけてくれる者を探していたのか、とも思えました。 短刀は《必然》で今宵の相手が《偶然》なのかとゆーよーに、全編に散らばっている言葉同士に関連があり、それが見事に綾を成す濃密な作品でした。 725 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00 35 04 ID TYhJwCoE 216-217 四の刺客 おいちょかぶの知識がないと主題には到達出来にくいかも知れない。 主人公の感情を極力書かない事によって、何を炙り出したかったのか理解を要する。焦点か。シッピン、クッピン、役名(半ば考察)描写などあればわかりやすく、読み手を選びすぎるかも。 737 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00 21 52 ID JLJqp4Oc 216-217 四の刺客 評者はおいちょかぶなどやったことはないが、「人との出会いみたいな遊びだ」とはなるほど如 何にもな文句だ。じめっと湿度の高い気色の悪さがある。おいちょかぶを人生の巡り会わせね に重ね合わせて、淡々と物語が進行していく。このあたりに巧さを感じるが、読者がこの世界 観に浸るのは難しいのではないか。改行の仕方も含めて、読みにくいと感じた。 749 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/19(日) 13 38 58 ID cX4Q1Tv0 216 四の刺客 四谷幽霊譚なんじゃあないだろうか。(本人は生きているのかもしれないのだが、この妄執は凄い) 最後の2連がいい。凄絶な死霊がぞわっと立ち上ってきたように思った。 指の腹 こびり付く米粒に歯を立て というフレーズが頭にこびりついてしまった。 762 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/20(月) 19 41 31 ID hy4tTQq1 四の刺客(よつやのしかく) を書きました竹輪です 審査員の皆様、評ありがとうございます。 タイトルに読み仮名を付けようかつけまいか悩んだのですが、 説明がましくすると対になるもの同士のコミットが崩れるためによしました。 (審査員のあぶくさんが見事に読みといて下さった。ありがとう!嬉しかった) リーフレインさんが、主要部分を感じ取ってくださったんだ。 死霊、生霊。生きているけど死んだものの情念を主人公に託しているのでリーフレインさんの読み、 主人公の性質を掴んで下さってた。 嬉しかった、とても。 基本が怨み(裏見)の話なんで、場違いかと思いましたが、 「四角」というお題を与えられて書いたものなので投稿させて頂きました。 読んでくださってありがとうございましたm(_”_)m 【得点】 2点 あぶく ◆OPBYKkBBNQ:1点 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点 ■▲▼ 愛から 反閇を踏みましょう 四角(よすみ)に 愛する人の穢れを踏み切る為に 凄烈に唱えながら足をどんと鳴し 悪しきモノを断ち切る 災いがかからぬよう 幸せに暮せるよう だから… 皆が寝静まった夜に 貴方の部屋で 四角から刺客を阻む 独占するために そう四角形の歩みは 姿なきモノへ嫉妬の呪い 妄想からの破滅だとしても 218 名前:愛から[sage] 投稿日:2006/02/11(土) 18 25 07 ID q7gEqpn3 【コメント】 252 名前:Canopus[] 投稿日:2006/02/19(日) 00 37 04 ID cRYcxBnE 218 いきなし反閇(へんばい)なんつー単語が出てきて…陰陽道の呪術的 歩行らしいです。反閇と、他のことば遣いとのバランスが、やや悪いかなあ。 この詩には、雰囲気づくりがかなり重要なファクターだと思えるから。 725 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00 35 04 ID TYhJwCoE 218 愛から 何やら彼の部屋の内壁にそって歩き回るシーンが情念を通り越して狂気に近い。 印影を刻み他の女性の影を近寄らせない為のおまじないを独自に作り上げたのだろうか。 描いている世界は愛情故の行動で、さらっと一見わかりにくいのだが一気に四角に準え彼の内側というエリアを占領してしまいたいという情念だ。 くるくると四角に歩くおまじないを施した部屋は、結界のよう。 愛情は内からも外からも占領欲求が高まると縛り付けて身動き取れないようにする四角にそった気持ち。 意外と面白い世界観を書いているがあっさりしている。 改行の文節調整によって変化を持たすとぷつぷつ切れる流れに、どこか変調をもたらすとよりよくなりそう。 ○貰っても役に立たないだろうけど、アイディアに愛憎の一端を見たので竹輪賞 737 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00 21 52 ID JLJqp4Oc 218 愛から ゾッとする気持ち悪さがある。と、同時にこの女の切ないほどに一途な思いが感じられ、不 思議な魅力がある。ストーリーの基盤は極めて分かりやすい歌謡曲的な(メロドラマ的な?) 世界観だ。そこに加わる呪術というエッセンスが、この女の怖さとある種の愛らしさを引き立た せていて新鮮だ。愛らしさというのは評者のみの感想かもしれないが、嫉妬に狂いつつ、それ を昼間問いただすのではなく夜中にそっと反閇を踏む、そこに女を感じた。 769 名前:ミミン ◆4fCTWDhugY [sage] 投稿日:2006/02/20(月) 22 49 12 ID a27MfyXO 『愛から』を書いたミミンです(笑) 審査員の皆様,お疲れ様でした(*_ _)ペコリ 日常的な嫉妬を非日常的な“反閇”を踏む行為で描きたかったんですが…四角をよすみで読ませたのはいいかなぁみたいな戯れでした(笑) 竹輪賞,ありがとうございます!うれしかったです( _ 。) 【得点】 1点 メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo:1点 ■▲▼ 部屋 僕には知らないことがたくさんある。 僕の世界は無限に広がるけれど、それでも星にしか満たなくて この部屋は隅から隅を歩いても眼には見えないほどの小ささなんだ 僕はこの部屋から出て行こうと考えている この四角い部屋にはレコードと本と僕しかいないから。 そとにはきっと、たくさんの見たことのないものが溢れていて 僕のからだを痺れさせながら通り過ぎるだろう 僕の見たこともない時間が 僕の触れたこともない空間が 頭の中を震わせながら走っていくだろう だからしばらくは帰らない この四角い部屋には 219 名前:部屋[sage] 投稿日:2006/02/12(日) 08 40 14 ID jc96AxZs 【コメント】 252 名前:Canopus[] 投稿日:2006/02/19(日) 00 37 04 ID cRYcxBnE 219 うーむ。テーマとしては、よくあるものだと思うんだよな。シンプル で飾らない方向で書いてて、それはいいけど、だとすると究極のシンプルを目 指したいよね。 726 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00 43 45 ID TYhJwCoE 219 部屋 シンプルなんだけどそこはかと漂う哀愁と生活の匂い。 ただ気になったヶ所 >僕の世界は無限に広がるけれど、それでも星にしか満たなくて この二連目は自分の世界を空の星とし外界との比較として、小さくとらえた表現だと思う。 星に対する視覚イメージと感じ方がそれぞれなので、私には引っ掛かる表現だった。 星という語句のスケールは私にとって小さきものではないので気になったのかもわからない。 ちょっと家を出るというよりは、四角い自分の知り得る範囲から、もっと広い視野を持ってこれから生きていくんだという自分への言い聞かせだと読めました。 希望と向上心、この四角の世界は成長、脱皮の意がなにげなく含まれている。 737 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00 21 52 ID JLJqp4Oc 219 部屋 「希望」を描いた作品。前向きな点は好感を持てる。二連目後半、「僕の見たことも~走 っていくだろう」の表現があまりに平板に感じた。もっと疾走感というか、心躍るような表現がで きていれば良かった。作品として薄い。 ■▲▼ 阿修羅雌(アスラメ) ハロー こんにちわ わたし曲がったことが大嫌いなんです 歩く道は一本道 十字路は直角に曲がり カーブに指しかかると嘔吐 だからこの世界は三本の線で出来ていると信じているし それしかこの世界を表現する方法はないと思うの だから宇宙の果てが丸いだなんて嘘よ 宇宙の果ては平面まるでベルリンの壁ね 六方向総て面で出来た世界はキューブそのもの 驚きでも何でもないわ だってビッグバン100分の1秒以前のことは現代科学では解明されていないのよ だからお馬鹿さんたちは世界を知るだなんて無益なことは止めて 日々消費に明け暮れなさいな だってそうでしょう あのビルも緑生い茂る木々もみんな真っ直ぐに突っ立っているわ お天道様も曲がったことは大嫌いよ わたしはわたしらしく あなた達はあなた達らしく それが世界よ 支配者と被支配者の素晴らしきキューブの世界 スッキリカタルシスね どんなモノも箱に詰めればスッキリ収まるでしょ それは世界についても同じ 何事にも限界があるの 資源もあなたのお頭も 詩の定型もね だから向上心なんか捨てて 今そこにあるモノで満足しなさいな 曲がったことばかりしていると幸福は遠のくばかり 追い求めても無駄よ 無駄無駄無駄 徒労ね もしわたしの云うことが嘘だと仰るならば 魔女裁判さながら磔にでもして頂戴ぃ 実はヒットラー嫌いなの 東條は最後まで闘ったのにヒットラーは我が闘争することなく逝っちゃった だからわたしも最後まで闘うわ それもこれも曲がったことが大嫌いだから わたしはCAD使い 丸い眼でXYZ世界を眺むる婚前通し経験のない純粋な乙女 好きな男性のタイプは真っ直ぐな人 もち婚前貫通経験のない人がいいわ もちろんアレも真っ直ぐ 最後までそれ以後もね 堅苦しくても折り目正しければ前途洋洋 だから曲がったのは不潔最低 切っちゃえって 筋を通すことを忘れたあなた達に言いたいわ 人間万事塞翁が馬 どうか一時の利益に溺れることなく 清く正しく筋の通った真っ直ぐな道を歩んでくださいな 曲がり路を歩むことなく 急がば廻れなんて嘘よ どうか忘れずに憶えていて ではさようなら 220-221 名前:阿修羅雌(アスラメ) [阿修羅雌(アスラメ)] 投稿日:2006/02/12(日) 14 17 30 ID jRoFpkmK 【コメント】 252 名前:Canopus[] 投稿日:2006/02/19(日) 00 37 04 ID cRYcxBnE 220-221 タイトルは面白いと思った。が、本文は読みにくいな…。なんか 個人的趣味と主義主張をごっちゃにしている印象が強かったです。 726 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00 43 45 ID TYhJwCoE 220-221 阿修羅雌(アスラメ) 後読感、起源に至ってはよくわからないが新興宗教、四角教の四角様の我儘説法という感じを受けました。 歴史的背景を持つ語句のちりばめ方が語意に頼りきりになってしまって語句が浮いてしまっている。 それらを用いないで独自の四角教をでっちあげたほうが格好良かったかも、と思う。 曲がったことが嫌いという割にちょっと潔癖なだけの教祖様で、迫力が削げったかも、これだけのスケール勿体ないと思う。 CAD使いならば尚のこと。曲線は直線の細かい連続、点の集合と。曲線は直線なしにして生まれない論法で破壊も創造も過激に操れたはずだし、きっと語句に簡略しすぎない表現も出来る方だと思う。 ちょっとか弱い教祖様で魅力はその我儘さにある。 3D概念が語句のみで弱かった。モデリング、レンダリングを言葉で怒濤に語りまくってくれていたら更に読み応えはあったと思う。 ○勿体ない、勿体ない発想はおもしろかった。好みでもある。 737 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00 21 52 ID JLJqp4Oc 220-221 阿修羅雌 四角形の直線的な印象から連想したのだろうか。曲がっているかいないか、YESかNOかの2 値、極めて明快な論理で運ばれるから読みやすくてよい。「だから曲がったのは不潔最低 切っちゃえって」。ここまで言い切ってしまうのが気持ちよい。 774 名前:穢土 ◆KJXrENozYs [穢土] 投稿日:2006/02/21(火) 00 28 58 ID AprV3svo 阿修羅雌(アスラメ)書きました。 今回で初めて一点貰えました(涙 竹輪さん有難う!!! 今回のお題は難しかったので詩の定形存ぜぬで、遊び感覚で楽しく作りました。 皆さん既に承知かも知れませんが、題名について述べさせてもらいます。 題名の阿修羅 アスラの意味は私知識“ひろさちや”の著作に由ります。 その著作ではアスラは正義の神。アスラは常に力の神インドラ 帝釈天と戦いますが負け続けます。 所詮、正義の神も力の神には敵いません。結果、アスラは魔人になります。 作品の女をアスラと重ね合わせています。女の主張正論も結果常識には敵いません。 キチガイ女と言いますか・・・それと阿修羅の意味性格はフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』やその他サイトで調べてみても“ひろさちや”の主張と違うものが多いです。そこは大目に見てください。 今回も又じっくり各作品を吟味評価してくれた審査員の皆様どうも有難う御座いました。お疲れ様です。タノシカタです。 【得点】 1点 メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo:1点 ■▲▼ 四本足 昨晩ようやっと完璧に歩く術を習得した 苦節二年と二週間 さらばだ我が寝屋 赤いベベをふわりと羽織り体を傾げて玄関を後にする して行くべき場はない 次の金曜日には捨てると腰骨の尖った女は言った 私が寝場所を微妙に変える事を敏感にも気味悪がったのだ 愚鈍な男は海苔弁の如く太い眉をしかめたが 先日ディロンギがやってきた途端 私に見向きもしない 私だとて未練もない 女の醜い下腹と男の臭い足なぞ 猫は家につくそうな犬は人につくそうな 何者にも依存せずを誇りに生きよう私は さてもアスファルトは四肢に冷たく染みて心残りは朝の連ドラ しかし新しい日々に待つは希望で今は信号が青に変わるを待つ 太陽が真上になれば少し走ってみようと思う うまく走れはしないだろうけれど 223 名前:四本足[sage] 投稿日:2006/02/12(日) 15 34 31 ID d2R6Yxhz 【コメント】 252 名前:Canopus[] 投稿日:2006/02/19(日) 00 37 04 ID cRYcxBnE 223 多分やっぱ無生物(ヒーター)だよな…完全に主観的一人称で書かれ ているので、比喩が比喩でなくなっちゃって、ほんとのことになってるとこな んか、すごいね。面白いの半分、得体の知れないの半分。 727 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00 54 51 ID TYhJwCoE 223 四本足 筆力と主張を感じる私的ブッチギリ作品。 物語の簡略、見せ方に技がある。語感も良く他から借りてきた言葉に不随する概念はなく組み立てられている。 文面とその裏側に流れる依存、共存、存在価値。 この字数で表現してしまったのかと驚き、人間と動物の囲いと自立心、四本足の作る影を見た。四角だ。 これは精神的な強さが織り成した物象という所在のものだ。物語による全体隠喩。 話の筋がある場合に限ってでは、文面の上っ面のみを書き立てるだけのものでは、ただの上手い文章で、心は動かない。 この作品はいい手本と思う。 四角というとらえ方にも独自の視点を持っている。 四角を表現するならば四角外をも独自で叩きだした哲学ともいえる考えを持った双方向性は不可欠。 筆力が前提だけれど、大抵この手法は主題を炙り出せないと失敗するのだ~私は。読み手を確実に選んでしまう予感もするが。 ◎加点確定 738 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00 24 24 ID JLJqp4Oc 223 四本足 なぞなぞのようだ。最初は4本足のオイルヒーターの話と解釈したのだが、もっと単純にペット の話だったのだろうか。ペットの話として読んでも悲哀を感じさせる深い詩だと思うが、オイルヒ ーターの話だと思って読むとシュールさが増して一層ユーモラスだ(特に最後の「少し走ってみ ようと思う」の部分)。「女の醜い下腹」やら「男の臭い足」やら、文句の一つも言わずに暖め 続けてきたのに、ディロンギがきたら感謝の言葉すらなくポイっ。世のサラリーマンの姿に重なっ て、おかしくも共感してしまう。それはそうと、男と女の性格の対比が鮮やかで勉強になる。 747 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/19(日) 10 09 10 ID cX4Q1Tv0 間に合うかどうか。。とりあえずコレだけはいいたい! 223 四本足 こたつ。やぐらこたつ。(確信をもっていいたい!彼は炬燵!) 四本足のこたつが斜めにかしぎながら細い扉を通り抜けていく姿が目に浮かびまいた。 笑った。。。いや今回は笑わせてもらった詩がいくつかあって、楽しかったです。 あとは夜に。 749 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/19(日) 13 38 58 ID cX4Q1Tv0 223 四本足 面白い。どこか悲劇的な雰囲気がまとわりついてはいるんだけれども、 この設定のために、その劇的な口調がかえって面白さにつながっている。 て、こたつを頭において書いちゃったんだけど違ってたらすまん。。 んだけど、こたつだとして、天板どうしたの? 757 名前:心霊写真 ◆Mummy.hmy6 [sage] 投稿日:2006/02/20(月) 02 19 25 ID sBuLGOtd 失礼します。四本足書きました。 竹輪さん、カノープスさん、リーフさん、 ◆CEeOGi4Ljさん、評をありがとうございました。 リーフさん、そうなんです、炬燵の話でした。 天板は・・・操り自由自在って事でお願いします。 丁度こんな感じ・・・↓・・・かな。。。 /| , , |/__ , ヽ| l l│<ハーイ ┷┷┷ 本スレの238の無題の、読んでてドキドキしました。 良いなぁ。絵的にも好きだなぁ。素敵だと思いました。 まとめの方、審査の方々お疲れ様です。 【得点】 5点(チャンプ作品) メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo:3点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点 ■▲▼ 箱庭 私だけのこの場所に小さなおうちを建てよう 庭には薔薇と蔦を植えて チューリップがならぶ花壇をつくろう 明るい日差しと柔らかな風 レースのカーテンにガラス細工の置物 丸いテーブルにはお気に入りの本を数冊おいて ソファのクッションにもたれてまどろむ そうだ 音楽もあったがいいな 昼間はポップで楽しい曲を 暮れたらジャズかブルースで 気分に合わせてお茶かお酒 ペットはどうしよう きまぐれな猫ははぐれたら困る 忠実な犬は物悲しい気分にさせる 水の中の金魚 ガラス越しに見つめあうのがいい あと・・もうこれでじゅうぶん 好きなようにいていいのなら 私はここで眠るから どうかそっと蓋をしてほしい あなたから貰った言葉も 大好きだった気持ちも思い出も 箱の中にはいれない ただ静かに眠りたいからお願い おやすみなさい 226 名前:箱庭[sage] 投稿日:2006/02/13(月) 01 34 22 ID bq87h5M0 【コメント】 254 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/02/19(日) 19 05 29 ID ScpEd3oj 226 少しゼータクな、内省的な引き蘢り。丁寧な空想で、やわらかな雰囲 気が、失恋の痛手(かな)を中和させています。 727 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00 54 51 ID TYhJwCoE 226 箱庭 自分の幸せなイメージを想像して連ねている終盤まで、こんな情景を歌った懐メロを知っているのだがどうも思い出せない。 小さな宝箱のような自分だけの世界と、現実。一人きりの四角い世界。ひとりよがりになりすぎず、 >おやすみなさい この一言で何気なく救われている気がする。 前向きに生きていく過程にこういった考え方は不可欠だけれど、小さな宝箱の域でリスクが見えない分弱いのだが。 何でもない日常の中で持つ希望の一片を飾りすぎない言葉で綴ったことに好感が持てる。 729 名前:名前はいらない[] 投稿日:2006/02/17(金) 01 05 01 ID fJZQ8Z1U 懐メロは小坂明子の「あなた」では? ♪もしも私が家を建てたなら~ 738 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00 24 24 ID JLJqp4Oc 226 箱庭 漂ってくる雰囲気を楽しむ詩だ。シチュエーションや情景がすぐに目に浮かぶ詩は良い詩だ と思う(かと言って長くだらだらと説明調なものはいけないが)。自分を傷つけるものをすべて排 除した幻想の世界。短く淡い言葉で、失恋の痛みを表現した点を評価したいが、もう一段 階の深さが欲しい。 ■▲▼ 好きになれない街 僕は何でだろうこの街が好きなれない なれない なれない この死んだように眠る夜は 静か過ぎる夜で 犬の遠吠えも聞こえやしない 勿体無いけどタクシーを使った だってしょうがないじゃない 歩くのは嫌いじゃないさ 嫌いじゃない 嫌いじゃないけど 何か話せよドライバー つまらないラジオを聴いているのか 僕は聞いてる 継ぎ目だらけの道路に順応している 尻が痛いよ 今はもう慣れたけど 好きになれない街 雨でも降ればいい しっとり濡れて眠りに落ちたい この街を忘れたいのさ 暖かいシャワーを浴びて 緩めたいのさ 好きになれない街 忘れたいのさ 恋人のような布団に包まって 眠りたいのさ 今日一日働いて一万円くらいか このタクシー代と同じくらいか その前の飲みで五千円使ってるから そうか 今日は赤字か たまにはいいか 何か話せよドライバー 酒臭い奴だと思っているのか 揺れるたびに戻しそうだ 走る車もありゃしない そんな夜は寂しすぎるじゃないか 静かな夜も嫌いじゃない 嫌いじゃないけど 好きになれない街 海に沈んでしまえばいい 暗くて深い海の底に この街を忘れたいのさ 抜け出せないこの街 忘れたいのさ 好きになれない街 忘れたいのさ 何をしても笑って 許してもらえた頃に 戻りたいのさ 夕焼けの中で歩いていた 顔は覚えていないけど 覚えていないけど忘れないのさ 帰り道ピアノの音がしたんだ 煮物の匂いと友達の声に混じってさ 大好きだったあの街 記憶の中のあの街 今は遠いあの街 忘れたくないあの街 僕は何でだろうこの街が好きになれない なりたい とも思わない 僕の家の周りは 周りも同じような家で ベッドタウンの一角で 部屋の電気は消えていて 恋人同士の囁きさえ聞こえやしない そんな夜は寂しすぎるじゃないか そんな夜も嫌いじゃない 嫌いじゃないけど 何か話せよドライバー つまらない街だと思っているのか 僕は思っている 四角い箱の中に納まっている 肩が凝ったよ 安っぽいビニールのシートで 好きになれない街 誰もいなくなればいい 大好きな音楽を聴いて眠りたい この街を忘れたいのさ 大音量の洪水の中で 流したいのさ 好きになれない街 忘れたいのさ 恋人のように毛布を抱きしめて 眠りたいのさ こんなところで眠りたくない 眠りたくないけど 眠っているのさ 四角い箱の中に納まっている 肩が凝ったよ 安っぽいビニールのシートで 何か話せよドライバー つまらない街だと思っているのか 僕は思っている 好きになれない街 忘れたいのさ 忘れないから 忘れたいのさ 戻れないから 戻りたいのさ 好きになりたいのさ 好きになれない街 227-228 名前:好きになれない街[sage] 投稿日:2006/02/14(火) 01 53 12 ID vw/3PYR1 【コメント】 254 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/02/19(日) 19 05 29 ID ScpEd3oj 227-228 具体的な描写の書き込みがされているわりには、作品の全体に流 れているのは、表層的な鬱の気分。あちこちで行きつ戻りつする、歌詞的なリ フレインが、そう読ませるのだろう。車と同じように詩も気分も走っている。 728 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 01 01 17 ID TYhJwCoE 227-228 好きになれない街 >僕は何でだろうこの街が好きなれない なれない なれない なんでだろ~なんでたろ~ややこの曲を読み始めから頭に鳴り響いてしまった。 語句の反復、繰り返し使用が必要なヶ所もあるけど、「好きになれない街」のフレーズ「~さ」の使用をぐっと押さえると良かったと思う。 リフレインするならバキッと意外で印象に残るフレーズを生み出すか書いている世界から凝縮して抜き出す方がいいと思う。 演歌などで聞いたことのあるフレーズがあちこちにあり、強いて強調したい「好きになれない街」の雰囲気がはっきりとしなかった。 ラフに思いを書き留めたのか、気分はそのままの流れを持って読める。 整理すれば自分の思いが詰まった街を心に、今いる場所が好きになれない、けど忘れて好きになりたいという街の話。 やはり「さ」は無いほうがスムーズに読めると思ったよ。 751 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/19(日) 20 42 46 ID LMY+/6HY 227-228 好きになれない街 リズムの良さ、繰り返しの効果が効いていて、タクシーの中の酔っ払いの頭をフッとよぎる孤独感と 哀愁を、巧く演出している。「~さ」の多用も評者は、この男の諦念を表現していると言うか、ひょう ひょうとしていて詩の雰囲気とよくなじんでいると感じた。ピアノとか煮物とか、あの街への追憶、郷 愁を引き立たせる小道具もバッチリで、グッとくるものがある。ただし、やや冗長の感がある。 834 名前:ねむい ◆yYGM98H44I [sage] 投稿日:2006/02/24(金) 16 07 03 ID UpkGDbIH 「好きになれない街」を書かせていただきました、ねむいです。 竹輪さん、◆CEeOGi4Lj. さん、Canopusさん感想ありがとうございます。 うーん、お題には気持ち程度にしか触れていないのがアレですね(苦笑) 途中入り込んでしまって、客観的に見直す前に投稿してしまいました。 ■▲▼ 壁 ふと目が覚めると 周りは壁であった 前に後ろ 右に左 周りは壁であった 私は四角く 壁に囲まれていた 何の変哲もない ただの壁である 卑猥な落書きはない 窓もない 模様もない ただ 壁である 下から生えてきたのか 上から落ちてきたのか わからない 朝の小鳥の囀りが聞こえる 朝の道を行く人々の声が聞こえる 朝食の用意ができたという母の声が聞こえる しかし四方が壁である 私はその場から動くことが出来ず ベッドの上で迷子になった 目の見える盲目になった私 手足の動く片輪になった私 ぽろぽろと涙が零れ やがて壁の中で涙の水位は上がっていく ベッドの上で溺れてしまう そう思っても涙は止まらなかった 229-230 名前:壁[sage] 投稿日:2006/02/14(火) 16 21 45 ID om2fTmoM 【コメント】 254 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/02/19(日) 19 05 29 ID ScpEd3oj 229-230 理由もなく壁という四角に閉じ込められる恐怖、という構図は、 小説なんかで結構ありそうなネタだけに、「詩」ならではの世界構築とか、特 殊な描写とか、そんなのがほしかったです。 728 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 01 01 17 ID TYhJwCoE 229ー230 壁 息詰まった心を隠喩しているのか、壁に取り囲まれる四角い箱の中に居るのは「一人」。 >目の見える盲目になった私 >手足の動く片輪になった私 この部分が気になったのですが、遮断という社会からの隔離は四角い箱に閉じ込められたという物理的な事柄で、五感や動きを遮られてしまっているのみとして描いているのだと読む。 自分が自分らしい行動や考え方を主張出来ない社会的な顔という背景があってのイメージであると読みとく部分と、自分の殻に籠もってしまって何かしら別の事柄に理由を付けたがる図にも感じ取れてしまうのだが。 書きたかった事がニュアンス的に分かる。けれど、「私」には自分の中で溺れるしか選択出来ない非力さ、これを四角の中に閉じ込められて炙り出しているようだ。 涙が枯れ尽きないで箱の中の水位を上げていく。 不思議と、地と天の描写が無い。 ここに私は見上げもしない足元もない今を見たのだが、目先の事にとらわれてしまいがちな、つまり小さな意識の枠を描いたのだと感じた。 行間に含みが取れるのだが、病院の一室のような雰囲気がある。 751 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/19(日) 20 42 46 ID LMY+/6HY 229-230 壁 面白い。壁というのは何の隠喩だろうか。勿論、不自由の象徴だろうが、もう少し具体的な何か を表しているのだろうか。着想が面白いし、後半の描写はなかなか鮮烈。しかし、もっと圧倒的な 悲しみで、この詩全体を包んでほしかった。「ベッドの上で迷子になった」という表現が素敵だ。 ページ:1 2 3 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/342.html
ページ:1 2 作品 ■▲▼ 倦怠の顛末 「本日もよろしくお願い致します、ご主人様」 きっちりと三つ指をつき、けだるげな主の前にかしずく わたしは この人の 『奴隷』 なのだ 主が言葉を発するまで その場から動けない 黙って伏したまま これからの時間に 心を震わせる つと、主は私のオトガイに指をかけた 「おまえも、ずいぶんいろんなことができるようになったな」 「……ご主人様の躾のたまものでございます」 その言葉にウソはない この人との関係がなければ 今の私はいない 私との関係がなければ 今のこの人もまた存在しないが 『秘密』という言葉がすべてを表す私たち 隠微で耽美で退廃的 陳腐な表現に満ちながら非現実めいた時間 私と主は それらを 共有して 今に至る 「……そろそろ、次に進もうか」 「よろしく、お願いいたします」 『次』が何をさすのか 私は知らなかった それによって 築き上げたモノがいかに変質するかも また 知らなかった 最初は 潤滑された綿棒だった それが私の排泄器官を犯す 淫らな声をあげて 私は 絶頂を得た 次は 主の指だった 一本、二本と増やされていくたび おぞけと快楽が私の中枢を麻痺させ いつしか真っ白な世界を彷徨っていた 感じやすい私を 主はおもしろがる はしたない女だと罵りながら どんどん趣向を凝らしていく 指だったものは玩具へ 玩具だったものが日用品へ 「……飽きた」 何をされても 喜ぶ忌まわしい身体を眺めて 主はついに恐れていた言葉を吐いた 「どう……すれば……よろしいのですか……」 『棄てないでください』とは言えない私の精一杯の矜持 「考えておく」 その日はそれで終わった けれど 一日後に主から連絡が入る ――腕をいれてみたい、両腕だ ――出来るようになるまでおまえとは会わない もはや私には 『努力』 しか残されていない そうして すべてが変わっていった それは隠微さなどかけらもない それは耽美な香りなど少しもしない 快楽を覚える余裕すらない 強いて言うならば体育会系シゴキ行為 忍耐と根性がものをいう世界 息を吐く 吸う また吐く それに合わせて指をいれる 増やす さらに増やす 手のひらが入る ゆっくりと伸ばす さらに広げる 握り拳をつくる まわす 奥へ向かう 私は身体をおりまげて 主の指示を口ずさみながら ゆっくりと じっくりと その場所を 押し広げていく もう まるきり そう まるきり 一人むなしいサーカスのような 世界 そうして念願の日 主の隣には別の奴隷が立っていた 私はがんじがらめに拘束されて 主の為の努力を その新しい奴隷によって証明された 「よく頑張ったな」 以前と変わらないその言葉がそらぞらしく響く 「ありがとうございます」 やはり変わらない言葉を返し 冷ややかに主を見る 倦怠はとうに始まっていた 主が『次へ』と呟いた瞬間にはおそらく 気付かなかった私が愚かで 気付かせなかったこの人も愚かで 主は私の『戒め』を解き 新しい奴隷と連れだって帰って行った 残されたのは 主が残した 括約筋矯正のレクチャー本 そうして 私の心と身体に息づいて 消えようもない 退廃的な快楽の刻印 身体がもとにもどったら 私はまた新しい主を捜すだろう 愚かな顛末が待っているのだとしても とうに引き返せなくなっている おそらく 私だけではなく 主も 主の新しい奴隷も この世界に生きる 誰もが 後戻りできないぬかるみを進んでいるのだ 112-115 名前:倦怠の顛末[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 03 49 28 ID bkMAlgUh 【コメント】 153 名前:大山デブ子の娘 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/06/09(金) 21 47 02 ID 4ogUa97p 112-115 顔を真赤にして読みました。 665 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 16 04 02 ID O+zQHESB 『倦怠の顛末』を書きました。 感想つけてくれた方、ありがとう。 チャンプの方、おめでとう。 ギャグにしたかったのに全然だめでした。 ガムバリマス。 ■▲▼ 逆襲 くやしい 恥ずかしい 聞こえます 肛門が割り開かれる音 めり めり めりり きまぐれな うんこの逆襲が始まり 私の中に むりやり押し入ってきます やめて やめて! いたあい いたあい! 「嫌ですやめません」 したたる 血 したたる 涙 したたる ・・・ ありえない こんなのって ありえない くやしい くやしい 恥ずかしい うんこの逆襲は--- なぜ なぜこんなにも 残酷なのでしょう あ あああ!!! 116 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 21 54 01 ID 1Mzv8psC 【コメント】 153 名前:大山デブ子の娘 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/06/09(金) 21 47 02 ID 4ogUa97p 116 汚い。何故か悦痴 664 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 05 20 05 ID 6YBCdZ2a 「逆襲」書きました。大山デブ子の娘さん、ありがとうございました。もっと滅茶苦茶に 書けばよかった。チャンピオンさん、おめでとうさんです。 ■▲▼ ソープランドに雨が降る 裸電球の板の間。 鬱蒼とした木のベンチがふたつ。 無造作に突っ立ってるのっぽの灰皿。 ソープランドの殺風景な待ち合いに、俺たち高校の同期、 四人してガン首そろえて、石でも食ったように黙りこくっ ている。 待ち合いからは襖間を開け放した八畳間が丸見えで、薄暗 く敷いてある万年床、まるい卓袱台、古びただけの安物の 和箪笥、ふたりのソープ嬢が無愛想に佇んでいる。 八畳間の奥手はやはり開け放たれた障子の向こう、離れへ 続く中庭の一部が垣間見えて、 縁側が しずかな雨に濡れている。 ふたりのソープ嬢は小柄な、若作りのおかっぱ風のショー トカットで、瓜ふたつの顔格好。自称二十九と二十七歳の 姉妹だというが、姉妹はともかく、年齢はどうも信じられ ない。ふたりとも散々にいらん苦労を重ねたためか、眉間 や下目蓋にふかく刻まれた皺が、暗がりのなかでもくっき り見て取れる。 彼女らは俺たちと視線すら合わせない。 姉は地味な色模様のキャミに小さめのパンティ。犬のよう なちいさな乳首が透けて見えるが、エレンディラの面貌は どうしても感じられない。 妹は今どき高校生でも着ないようなアイビー風のカーディ ガンを素肌に羽織って、万年床から上半身を出して、持病 の偏頭痛が止まないふうで前頭部を押えたまま顔をしかめ ている。妹のあまりの無防備さに、ヤマナカが怪訝そうに つぶやく。 …あれは、ああいうプレイなのか? いや、違うだろう。看病を装って襲わせる肚とは思えない ほど、彼女らは俺たちに無頓着で、いくら話しかけても、 ぶっきらぼうな短い返答ばかりがかえってくる。 ソープランドに来てからこの方、俺の可愛いタクティクス はずっと萎みっぱなしだ。 姉が俺たちを呼ぶ。サトケンは旧知の間柄らしく、かるく 世間話を交わしながら、縁側の濡れた下駄をつっかけて、 姉のさす蛇の目傘に身をかがめ、離れに消えていく。 …そう。…そう。今みんなといるとこ。タバさんも来ない? 気付くと横ではオザワが携帯で、真面目一辺倒のタバタを 呼び出そうとしている。 …タバさん、来るかなあ。ソープランドの看板見ただけで 怒って帰っちゃうんじゃない? …いや、きっと大丈夫だから。…あ?うん。花見澤町の外 れ。電停で待ち合わせしようよ。…タバさん、きっと気に 入ると思うよ。 ヤマナカは意を決したように、八畳間に闖入し、妹の肩を 抱きかかえようとする。妹は一見迷惑そうに顔をしかめた まま、左手で髪を掻きあげながら、右手でヤマナカの股間 をまさぐり始める。あらかじめ決められたシナリオがそこ には存在しているみたいだ。 無口なヤマナカと無言の妹。パントマイムの舞台でも観る かのように、四本の腕がおおきな弧をえがく。 サトケンが晴れやかな表情で戻ってきて、ベンチにどっか と腰かける。そんなにチョメチョメが巧いのか、と訊ねる と、サトケンは煙草を満足そうにふかしながら、 …ああ、言ってなかったか。すっきりすんだぜ、腸内洗浄。 ここは、石鹸浣腸のソープなんだよ。 1リットルくらいの石鹸水を勢いよく直腸に流しこみ、腸 をきれいにするんだという。身も心もかるくなって、 …これが意外と病みつきになるんだ。 と言う。 釈然としないまま、姉が無表情に俺たちを呼ぶ。ヤマナカ の番だったはずだが、ヤマナカは妹とふたり、ミミズのパ ントマイムをやけに必死に演じてる真っ最中で、オザワは タバタを迎えに座を外したばかりだ。あるいは途中で酒を のんでしまって、もう戻ってこないかもしれない。 …じゃあ、ケツに石鹸流してもらいにいきますか。 …いきましょう。 サトケンがニカッと爽やかに笑い、卓袱台に置かれたお茶 をすすりに立ち上がる。俺は雨に濡れた縁側を横ぎり、雨 に濡れた下駄をつっかけて、姉のさす蛇の目傘に身をかが める。 離れへつづく中庭は、地下を掘って造られた、狭く四角く 切り取られた夜空のフレームで、そこから雨がしずかに、 雨漏りのように落ちてくる。 径の両脇の地面が、ぼうっと緑の光芒を放っている。点在 する光り苔の群れだ。雨にうたれて緑色の光がそれとは気 付かないくらいに明滅する。 見上げるとサクラの巨木が一本突っ立ってて、雨に無数の 花弁を散らせている。満開のサクラだ、五月も終わりだと いうのに。 …このサクラは…北海道よりおそいんだね…。 …これから春なのよ、ここは。 隆起する光り苔の間を縫って、いくつものちいさな花筏が 流れていく。離れはしずかな雨に霞んで押し黙っていて、 俺は肛門が少しだけむず痒くなる。 俺は、満開のサクラと、みどりに光る苔の群生と、けして 美しくはない姉の横顔を、いつまでも見比べている。 117-120 名前:ソープランドに雨が降る[sage] 投稿日:2006/06/02(金) 00 27 07 ID w3fxwx4X 【コメント】 666 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/06/10(土) 21 30 26 ID Tf/owXAl 『ソープランドに雨が降る』を書きました。 ちょうど夢にでてきたのを、ほぼそのまま書いたんだけど、冗長だったね。 ■▲▼ 年代記 アポロ計画が最初の成功を収めた頃アメリカはベトコンのケツを掘るのに忙しかった 多段式ロケットで人間を月まで吹き飛ばしたのもM16とAK47が死体安置所の在庫を積み増し続けたのも中国人が花火を発明したおかげだ アメリカの建国記念日には中国人に感謝を捧げるべきなのだ アポロ計画とベトナム戦争はほぼ同時期にスタートしたがどちらも膨大な金を必要とした ニューヨークヤンキースの選手を古生代からツタンカーメンの生まれる時代まで雇えるくらいの金がかかった それだけの金が費やされたにも関わらず、アメリカが手にしたのは少量の砂や石、そして共産党政権だった どちらも日本円に直せば王将で餃子と生ビールを一品ずつ頼むくらいの価値にしかならない アメリカ政府はビートルズの経済的生産効率を見習うべきだったのだ しかしながら物より思い出とはよく言ったものでどちらもハリウッド映画になった 良くも悪くも1960年代は星条旗の大盤振る舞いの年だったのだ 星条旗が掲げられた回数で観客の拍手の量が増減する映画業界に置いてはこれ以上の素材は他にない バットでGIが罪もないベトナム人を撲殺していようが月のウサギをソテーにしていようがそんなことに意味や価値など無いのだ 1960年代のセックスシンボルは間違いなくアメリカだったのだ 多くの有名人が暗殺され、学生が殺し合い、核実験がブームになった 血生臭く、埃臭く、それでも成功は続いた アナル拡張プレイが世間一般に広がったのもこの時期である なぜならヒッピーがドラッグを隠す場所といえば肛門であったからだ 刑務所での肛門検査を通過するためにより奥へ、より深くと開発競争が繰り広げられ それがホモセクシャルの広がりとともに徐々に性的遊行へと変化を遂げていったのだ これもまたアメリカ人の努力と中国人の発案によるものである ウッドストックではジミ・ヘンドリックスアナル拡張賛美が話題となりギターが肛門に挿入された参加者が病院に次々と担ぎ込まれた 一方でアポロ計画もベトナム戦争も1960年代の競争を経過すると金がなくなったという単純明快な理由で集結し、学生も就職した アナル拡張だけはその手軽さと経済的負担の少なさから細々と続けられた 122 名前:年代記[sage] 投稿日:2006/06/02(金) 16 45 51 ID tLMRRX2V 【コメント】 153 名前:大山デブ子の娘 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/06/09(金) 21 47 02 ID 4ogUa97p 122 ふ~む ■▲▼ 広場 キャタピラに轢かれて挽き肉 人肉ハンバーグ レア 激ナマ ヒクヒク 動いてるし すべてをさらけ出しても おれはまだ生きているの うそ すこし隠してる 破裂した腎臓はあなたに 断ち切れないシナプスはおれのために ちょっとだけ とっておく 宇宙みたいな力にのしかかられて それが うれしいみたい 受け入れる このカラダ そのためには準備が どうしても必要だった それでおれはおれみたいではなくなるが そうしておれは おれのことを一顧だにしなかった大きな力を包み込む テレビ、見た? おれは体内に天体の運行を飼う 人々はうつむいているが知っているでしょう 人間にはもはやカラダにさえよりどころがない できることには果てがなく 目的がない ごみみたいだね? 未知なんてさ おれの上を通り過ぎたキャタピラは 世界の方向をちょっと変えた それはだんだん大きくなっている おれの受け入れた力は 世界の方向を変えた それがおれにはうれしいみたい がまんしているのに ヒクッ ヒクッ と動いてしまう 123 名前:広場[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03 53 56 ID OmjOwMQz 【コメント】 155 名前:詩情主義者メレ ◆nSTTCnvWTw [] 投稿日:2006/06/09(金) 23 31 59 ID /jbXPzDd 123「広場」 お題に沿っているのかどうかよくわからないが・・・。 しかし言葉が質感と質量をともなって眼前に現れるということではこれが一番だった。 ただ、語りすぎではあるし(説明的ではないにしろ)、冒頭の描写はどんな漫画雑誌を見ても 一作品はこんなのがありそうってくらい陳腐だ。 ■▲▼ 亜空の声 公団の最上階の油染みた踊場で プリーツスカートをたくしあげ赤いアトムパンツをずりおろす 手摺に黒いマニキュアと指を掛け顎は空に突き出す 背骨は反り白いヒップに蒙古斑 ふくらはぎは奮えてる ニューバランスが刻む それをシャガミ見とれてた ただそれだけ ぽっかりあいたくうき 125-127 名前:亜空の声 ◆8HAMY6FOAU [sage] 投稿日:2006/06/03(土) 23 39 03 ID 9mbCT4mT 【コメント】 146 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/06/06(火) 00 37 07 ID fPiLGGbk 125 情景自体はアダルトのイメージビデオっぽいんだけど、余計なことば がほとんどないせいで、乾いた独特の感じが出ているよね。 661 名前: ◆YAPoo/LC/g [sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01 29 23 ID bNo44JNf 亜空の声を投稿しました 審査員さんありがとうございますデス はじめての投稿でドキドキしました~ ども ぺこり 【得点】 1点(準チャンプ作品) 霧都 ◆SNOW/oy/Uw:1点 ■▲▼ 涙 ぽろぽろ 飲み屋街を転がってゆく 酔っ払った男の 紳士的な影を拾う 駅前 迎えにきた君が聞く すると きりきり 指が笑う 横を仮面がひるがえり うつむいて笑う 深夜のスナック うすい沈黙の皮膜を するする 通り抜け 水槽に映る唇が 破線を解いて ぽろぽろ まるいウミを描く 128,131-132 名前:涙[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 23 58 18 ID AvUFjlUC ■▲▼ 花器 グッチャ、、、グッチャ、、、 薄明かりの中鋸を引く男一人 ッッ、、、ゴト、、、 彼女の下半身だけ持ち上げて 分娩台に結わいつける 湿った海 血の臭い 芸術と愛の狭間で綱渡り 彼女にふさわしい花は何だろう? ハウスから調達してきた花達を眺めては手に取りまた離し 手に取りまた離し 一向にイメージに重ならない 時間が無いんだ 僕の中からシンデレラが居なくなってしまわない為に 唇をグッと結び 花を手に取る男 そして一輪ずつ最愛の彼女の尻の穴に挿していく 白いその肌に咲く 白いチューリップ、カラー、胡蝶蘭etc... 一杯まで広がった穴に咲く綺麗な華々は男が捧げた感謝の気持ち きれいだ、、、手を止めたとき一人ぼそりと呟いた 129 名前:花器[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 23 58 41 ID VCaCbgfk 【コメント】 709 名前:南国[sage] 投稿日:2006/06/11(日) 13 16 56 ID Xk/pHXbd 遅くなりましたが、「花器」を書いた者です。読んでくださった方、それと点を入れて下さった霧都さん、ありがとうございました。 今回書いた詩は、『最愛の人を失った芸術家が考える「彼流の彼女のためにできること」』という設定で、テーマと絡めて書いてみました。 しかし、イメージを膨らませるまでに時間がかかり過ぎてしまい、最後の1時間で書いたために、主人公の心状や行動が掴み辛い作品になってしまいました。 更に、テーマについて。「アナル拡張」まではクリアしていますが、「プレイ」の方は描写がない。すみません、うっかりしてました。 以後気を付けますので、今回は勘弁してください。 最後に、長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。 【得点】 1点(準チャンプ作品) 霧都 ◆SNOW/oy/Uw:1点 ページ:1 2 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/345.html
ページ:1 2 3 作品 ■▲▼ 眠いと眠気はいいんだ 寒いと寒気はいいんだ どっちも私に至上の酔いを与えてくれる こんな夜はベンチにねそべって 孤独のいいとこ崖淵止まりなのを 楽しいと思う 無表情の余り時がかじかんでも 回る頭脳 良識に走る 784 名前:名前はいらない[] 投稿日:2006/04/15(土) 04 12 19 ID 0LmpBF5U 【コメント】 359 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/24(月) 10 06 59 ID APFHHwz7 784 良識に走るところがいい。なんか等身大の気がする。 ■▲▼ 例のロボット いつもいつも 気になっていたんだ あなたの鼻の頭が赤いときと 赤くないときがあるって事を ねぇ その赤い鼻の頭 ねぇ 押してみてもいいかな ときどき優しかったり ときどき意地悪だったり なんとなく 思い当たるふしがあるんだ たまにてのひらが ひんやりしていて 知らない誰かに見える ねぇ その赤い鼻の頭 ねぇ 押してみてもいいかな 785 名前:例のロボット[sage] 投稿日:2006/04/15(土) 12 22 16 ID ndtJwvk+ 【コメント】 359 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/24(月) 10 06 59 ID APFHHwz7 785 例のロボット ドラえもん? 385 名前: ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:2006/04/27(木) 07 16 14 ID tVj6hBwG チャンプのはらだ将さんおめでとうです! 忙しい中審査いただいた皆様お疲れ様です! 「例のロボット」書きました。 リーフさん、ドラえもんじゃなく、コピーロボットだったんです。 描写不足・・・力不足でした・・・。 もうちょっと2重人格っぽい部分でも出せればよかったのかな。 精進します。 ■▲▼ ハンカチおとし/ドッキリカメラ ハンカチおとし 輪の真ん中ではふつうに自由になれる気がするので とりあえず循環に乗りますが なぜ構う?何故構う?なぜ構う? そこになぜ構われるは存在しない 「でん」されて虚を突かれないように努力すべき だから最初から真ん中に進んだがこれがいつまで経っても出られない 出たくないんだな? ドッキリカメラ 如是我聞: どこにでもいる、カウンター席で寝ちゃう人 「お客さん、閉店時間はもうとっくに過ぎてるよ」 と言われたらしいが眠くて聞き取れないことにした そしたら店の人、帰っちゃった その後静まりかえった店内で一睡もせず朝が来た その企画というのがよくよく聞けば 起きあがった瞬間に後頭部にパイが飛んでくるという仕掛けだったらしいが 起きないんだったらしょうがないねってことで急遽他のドッキリを撮りに行ったそうだが 新鮮味も何もなかったってさ。 「新鮮味も何もなかった」 そう告げられてほっとするような自分がいて別の意味でドッキリだった ドッキリカメラ(奥底) 目に見えることだけ書けば そういやその日はヤケに移動がスムーズで 周りの人がやたら優しくて、思い通りで だから多分はっきりと気付いても同じことをしただろう 「不気味すぎるから逆に笑おう」と名を付けた含み笑いが 滝壺や湿原に醜く下されたろう これまた別の意味で、ドッキリなのだ 786-788 名前:ハンカチおとし/ドッキリカメラ[sage] 投稿日:2006/04/15(土) 21 55 40 ID 0LmpBF5U 【コメント】 359 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/24(月) 10 06 59 ID APFHHwz7 786 ハンカチおとし ごめん、ついていけなかった。。 ■▲▼ ブランコ いつもの公園のブランコで 日が暮れたのに いつまでも ひとり、 ブランコこいでいる 僕を もしも見かけても 声をかけちゃ いけないよ キ ガ フ レ テ シ マ ウ カ モ シ レ ナ イ キ ガ フ レ テ イ ル の カ モ シ レ ナ イ 僕はいっとき カゲに隠れて 僕のブランコになっていて おっきくちっさく、たかーくひくーく 前にのめったり、のけぞったりして ブランコ ブランコしてるから 放っておかなきゃいけないよ キ ガ フ レ テ シ マ ウ カ モ シ レ ナ イ キ ガ フ レ テ イ ル の カ モ シ レ ナ イ さんざ ブランコすませたら 帰ろ。 のチャイムで おわるから そしたら暗い中を ゆくからさ ひとりで帰ってゆくからさ ブランコ ブランコ、夜をあおいで プランコ プランコ 僕と、ブランコ ブランコ ブランコ 僕の、ブランコ 789 名前: ブランコ [sage] 投稿日:2006/04/15(土) 23 52 08 ID diLJKK39 【コメント】 359 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/24(月) 10 06 59 ID APFHHwz7 789 ブランコ ☆ 良作。 ブランコの静かで、少し不定期な揺れにつれて現実の向う側へ伝わっていく。 377 名前:カコ ◆kaco/250tg [sage] 投稿日:2006/04/26(水) 23 56 42 ID Ds3cyigx 「ブランコ」、書いて参加しました。 審査員の御三方、お疲れさまでした、そしてありがとうございました。 シオンさん >明るい詩もあったのですが、それ以上に暗めの詩のインパクトが強かったので。 ハイ、自分のも暗めだったかと思います(インパクトはどうかわかりませんが)。 電源のスイッチ(on/off)というよりも、cレールさんのお言葉をお借りすると、 「スリップ」に繋がるような、私のひとりよがりな意図でいうと「入れ替わる」という 意味合いのスイッチに自然と標準が定まってしまっていました。 などと言ったところで、結果はアレですが…。 リーフレインさん ☆ひとつ、素直に嬉しかったです(笑)。ありがとうございました♪ 毎回、これだけのり数の作品への評、本当にご苦労様としか言いようがありません。 369の 「あたしなんかコメント一つももらえなかったのよー(涙)」 この言葉読んで、何とも言えない気持ちです。 いつも評を頂いてばかりで、ホント申し訳ありませんです。。。m(__)m ■▲▼ 独言絶句 人ヲ恨ミ、殺ソウト決断シ、感情一号線ニ乗リマシタ 標的ハ「ヒトデナシ家」、獲物目指シテ弾丸飛バス 途次、渋滞ニ巻キ込マレ、苛々シツツ排尿我慢 「アッ」ト吐息ヲ漏ラシ、諸々ガ垂レ流レマシタ 昂ッタ気持モ和ラギ 夜ノ外灯ニ気持ガ整理サレ 馬鹿ナ事ヨト反省シ 帰ロウト思イマシタ・・・・ 鼻歌ヲ口ズサミナガラ、感情一号線ヲ延々トループ 人ヲ恨ムコトナク 生キテイコウト思イ描キ 夜ノ南路ニ暁光ヲ見タ・・・・ソノ時・・・・ _交通事故ノ表示_通行止メ_次ノ出口デ降リテクダサイ _トノ知ラセ 次ノ出口デ降リナイト感情線ヲ降リラレマセン 何ノ因果カ出口ハ「地獄ノ四丁目」 出口ハ此処シカ在リマセン 「地獄ノ四丁目」デ降リタガ最後、「ヒトデナシ家」マデ走ッテ5分・・・・ パブロフノ犬ト化シタ私ハ 気ガ付ケバ女ノ上ニ跨リ 出刃包丁デ滅多刺シニシテイマシタ 790-791 名前:独言絶句[sage] 投稿日:2006/04/16(日) 04 06 18 ID TFYIGV6M 【コメント】 359 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/24(月) 10 06 59 ID APFHHwz7 790 独言絶句 カタカナで書いたところがいい。いい感じに無機質。 390 名前:穢土 ◆KJXrENozYs [sage] 投稿日:2006/04/27(木) 21 44 31 ID 0cGKVh/o 『独言絶句』書きました。 おめでとー お疲れ様です ありがとうございます ■▲▼ Re スイッチ 夢から目覚めたとき 朝は何も変わらずそこにいた そうかな 僕を襲ったのは 冷たく固い激痛でなく 792 名前:Re スイッチ[sage] 投稿日:2006/04/16(日) 18 08 28 ID Zr0jtLNe 【コメント】 359 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/24(月) 10 06 59 ID APFHHwz7 792 Reスイッチ つかみどころをなくしてしまった。 ■▲▼ いくつものスイッチが並ぶ 小学生が整列する 光景が在る 空中で燃えている とても静かだ スイッチの音を待つ 耳は糸でできている スイッチは乾いている ため息まじりに 793 名前:名前はいらない[スイッチ] 投稿日:2006/04/16(日) 22 56 13 ID /bonTU+z 【コメント】 359 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/24(月) 10 06 59 ID APFHHwz7 793 ☆ この感覚は好き。 ■▲▼ 未来に向かって おばぁちゃんのツボを押すと 家中の電気が消えてしまった 794 名前:未来に向かって[sage] 投稿日:2006/04/17(月) 09 39 54 ID Pn5nEU/2 【コメント】 820 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY [sage] 投稿日:2006/04/22(土) 14 52 58 ID zrJ3+W/t 794 未来に向かって タイトルがあれですけど、その狙いすぎなとこも含めて。 359 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/24(月) 10 06 59 ID APFHHwz7 794 未来に向かって ☆ 364 名前:北 ◆FUCKcjokcg [] 投稿日:2006/04/26(水) 13 34 19 ID zCLznt1/ どうも「未来に向かって」を書きました。 点数を入れてくれたゼッケン君ありがとう。 リーフレインは俺だけ感想なしですか・・ 切ないなー。 367 名前:北 ◆FUCKcjokcg [] 投稿日:2006/04/26(水) 17 40 22 ID zCLznt1/ ところで俺も準チャンプやん。 369 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/26(水) 18 18 49 ID P+KU2453 北さん ☆あるから許して あたしなんかコメント一つももらえなかったのよー(涙) 378 名前:北 ◆FUCKcjokcg [] 投稿日:2006/04/26(水) 23 59 17 ID zCLznt1/ 369 共感できん 【得点】 1点(準チャンプ作品) ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY:1点 ■▲▼ 噂酔狂 何時から馴れ親しみ過ぎと感じたのだろうね 礼儀の衣さえ脱ぎ捨てたカタチで我を喪失したのか それとも 御仕舞いに希望など置いていかぬと云う事か 「朝に帰れる不思議な毎日」 飼い鳥の世話も何時しかおざなりに今じゃごみ箱の中だ あんさんが飼っていた鳥 覗くと水色ポリに囲まれた空 呆気取られて 貰い泣き コニャックの匂いすら感じ取れない程 酔ったはずではないのに 貰い泣き ごみ箱に捨てられた二匹の死骸 竹籠傾いた中で 触れるものを選ぶかのように 重なりうなだれた翼を細い間 竹の牢からはみ出て今更救いを求め 小羽根をありもしない風に揺らして震えて見えた 「朝に帰れる奇妙な毎日」 ごみ箱の縁 こんな風に撫でて欲しいとサンプルみたいな傷があった 擦り傷 捨てられるものの悪あがき白っちゃけた 擦り傷 それさえ感傷と重なり果てしなく囀り 窓の外から響いてくる別の鳥が囀る 鳥籠ごと ごみ箱に潜めたある タイムリミットの様を示す死に 気に留めもしないこれといって変化の無い 生活だったと思い知る 朝が来る そう思えた事など無かった 「朝に帰れる不思議な毎日」 ポチポチとガラス窓こびり付いたヤニ 水滴の縁を囲み流れ薄茶色の筋を残す 呼んでみた 居ないのはわかっていても只呼び付けてみたかった 「あんさん」 何故鳥籠で雀を飼っていたのか教えて欲しかった 「あんさん」 あんさんには何に見えていたのか教えて欲しかった 過去形でももう一度繰り返す 「何に見えたのでしょうか」 あんさん 見ていた雀は綺麗な鳥だった? 雀が死んだ 二匹一緒に 寿命か そう 止まり木に細い麻糸こよりのような指 爪立て身を立てた雀も 「見ているだけで酔えるわあたし誰の顔でも 首と顎 顔色が変化するヘマはしない 化粧が剥げてしまわぬよう頬杖つく癖 止めればそれだけで良かったの」 はばたき忘れ 餌箱の中にある青菜をついばんでいたのは雀 「瞳には何が映っていたのだろう」 同じものを同じように見れていたのだろうか 「同じ鳥を見ていたのか教えて欲しい」 ごみ箱の底にあんさんと一緒に何時だったか 食べたスナック菓子の袋 赤いギザギザの切れ端 カァっと横切る目尻に痛い 雀 1LDKの中 檻だったのだろうかあんさん 部屋の中不似合いなごみ箱の青さ 籠越しの空 蓋を落とせず 出来ないままに 「蓮っ葉って言ってよお客さんあたしにも泣きたい時があんのよ 悪い噂ならでっちあげてでも流して頂戴 マドラーの先に付いている玉に心砕かれる日もあるわ知ってた? 悪い噂があたしを守るから守ってくれるから 心の底から 悪意をもって あたしが好きならどんな嘘でもホラ吹いて頂戴 このお店今日が最後よ全部飲みましょうか だからお客さんボトルキープしたって意味がないのよ」 何処へ行こうか 青いごみ箱の蓋を盾に 再度朝日を連れて帰ってきた歩道を見下ろす 眩しいただただ 太陽に蓋をすると ごみ箱の中で何かが動いた 雀 違う街で違う雀を見つめても 雀の心中 忘れない 連れて帰ってきた太陽も他人行儀 オス求む 「朝に帰れる不思議な毎日」 あたしは噂の京子 795-798 名前: 噂酔狂[] 投稿日:2006/04/17(月) 15 36 00 ID Tmeu67LM 【コメント】 359 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/24(月) 10 06 59 ID APFHHwz7 795 噂酔狂 ☆☆ 一行目からいきなりどきっとしてしまった。?みがうまい。 朝帰りする奇妙な毎日、顧られなかった番の雀。ひりひりする後悔は後悔でありながら どこか酷薄で、当然の報い(誰にとって?)という響きがつきまとう。 雀と重なるように”あんさん”。 喪失。 バーの女 噂の京子。(最終連、少々不透明感がある) 捩れのはいった万華鏡の如く変化する詩世界が「朝に帰れる不思議/奇妙な毎日」 というフレーズを軸に回転していた。独特の空間を切り出すのではなく造りあげる。 雀の描写にやや冗長さを感じる。 375 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/04/26(水) 21 51 59 ID PNkXOoly 795ー798 噂酔狂 書きましたリーフレインさん評ありがとうございます (いつも楽しみに全評読んでます) この作品は関西弁に直す前の標準語版 全32話で終えた話を今丁度リライトしている最中で スイッチというお題と照らし合わせて続編として書いたもので33話目です 読んで下さってありがとうございます ■▲▼ 分かれ道 いつまで一緒に、 歩いていけるだろうか。 どこまで一緒に、 歩いていけるだろうか。 知りたいわけじゃない。 いつわかれるかなんて、 知りたいわけじゃない。 少し気になることがあった。 押してはいけないスイッチ。 それはちょっとした好奇心。 何かを押して、 何かが変わった。 そんな気がした。 道は分かれた。 それはもう交わらない。 799 名前:分かれ道[sage] 投稿日:2006/04/17(月) 20 35 32 ID wMNDansW 【コメント】 360 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/24(月) 10 12 40 ID APFHHwz7 799 分かれ道 説明文になってしまった。読者に余地を残してほしい。 371 名前:るいるい ◆1kfBK4rWHM [sage] 投稿日:2006/04/26(水) 19 43 56 ID xDlPTQFA 分かれ道を書きました。 説明文ですか・・・ 読み直してみるとたしかに説明的な気がします。 (真ん中らへんがいらなかったかな?) ありがとうございました。 ページ:1 2 3 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/573.html
作成中です・・・ ページ:1 2 作品 ■▲▼ トソカシ 394 名前:トソカシ[] 投稿日:02/07/16 12 41 ID lHo7fsJQ 褐色の衣 ジャグジャグ 水色のきゃべつ パキパキ 特性ソースは 鼻をつく護摩の薫り 芥子は己の役目を忘れ 堕落している さて このトソカシを食べるために 今 何かが足りないことに 気づいているだろう 甘蝦の肉感 粘りつく 繊維の襞々 哄笑しながら飛び込む 肉汁の海! 潜り込む肉の言葉で それが もしトンカツに変身したなら 歴史に名を残すほどの ラッキーだ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ くわえポッキー 395 名前:くわえポッキー[sage] 投稿日:02/07/16 12 54 ID ??? ポッキー くわえ煙草みたいにすると 旅に出たくなるよね 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ アイアン・マン 416 名前:アイアン・マン[] 投稿日:02/07/16 22 39 ID 6yUGNE+v お前の白くて冷たい 首筋を 俺の紅潮した 欲望が 三本の燃える指となって 駆け降りる お前の白い項(うなじ)に 頚動脈を 掘り当てた 性欲の炎が 転化して 食欲のドラゴンが生まれた日 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ その日からというもの 俺(ドラゴン)は 目につく物凡てを 食いまくった 犬や猫はもちろん食った 電信柱も歩きながらつまんだ 雲を長い舌でからめ取って ちゅるりと吸い込んだ 胃袋が無限なのではない 消化してしまえば また腹が減るのだ 俺を退治しにやって来た 鋼鉄の巨人も 腹が減っていた キリのない食欲についての悩みを 俺達ニ体は 話しあい お互い 自殺することに決定した 鋼鉄の巨人は 高熱の鉄板で己を焼き 俺は太陽まで飛んで それに巻きついた ドラゴンのバーベキュー 意識が戻ると 俺は彼女を抱いて 横たわっていた 彼女の裸体が 太陽のように熱くて 俺は彼女の項から 急いで手を離した 俺は鋼鉄の巨人に まんまと騙されたのだろうか あいつめ 今頃 世界を救った英雄気取りか あいつだって 車を食うくせに ビルを噛るくせに 鉄条網のうどんを啜るくせに 世界を壊すことが仕事のくせに ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 日常 421 名前:日常[sage] 投稿日:02/07/17 02 52 ID ??? なんとなく、暇潰しにと、表面を磨いてみたり、する。 どうしたい訳でもないけれど、冷蔵庫へ出し入れを繰り返してみたり、する。 ただぼんやりと、お手玉なんぞしてみたりも、する。 そのうち段々愛情が沸いて来たりするけれど、 くちびる寄せたって、やっぱりなんも言わないし、気持ちもよく分からない。 で、気がついたら夕食の後に出て来たりして、少し哀しくなったりも、する。 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 変態味覚宣言 422 名前:変態味覚宣言[sage] 投稿日:02/07/17 07 48 ID ??? わからないんだよ ご飯を口に含みながら 牛乳で流し込む それを許せる お前の味覚がわからない なあ それって気持ち悪くはないのかい 口腔内で攪拌される飯粒と牛乳 白と白は溶け合い絡み合いながら やがて食道から胃へと ねっとり嚥下される うげっ 想像するだけで吐きそうなんだよ お前の事は好きだけど お前の味覚は許せない ご飯には牛乳 その感性がだめなんだ もう限界さ これで終わりにしよう たかが食べ物のこと なんて言うなよ これは一生の問題だからな ご飯に牛乳なんて・・・ ふっ ご飯にはコーラ これに決まってるだろ 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 星型のケーキ 425 名前:星型のケーキ[sage] 投稿日:02/07/17 10 52 ID ??? 皺だらけの手が帽子をのける 下から現れるだんまり 背広はハンガーに戻され また一年の眠りにつく カフスが外されめくれるワイシャツ 腕の毛で拭う紅い顔 恐らく唇の上 薄く感じている 塩 陰の落ちるダイニング 腰掛けるあなたの 目の奥に 鮮烈な光 白十字 夏草の緑に とり残され 眠る 戦友の名前 傷口はかさぶたすら剥がれ落ち 開くことも滲むこともしない 鈍い痛みが時折 忘れた頃にぶり返す オーブンの音で あなたと私は我にかえった 部屋中に流れ出すバニラ 膨らんだ スポンジケーキ 何年前だったか あなたが初めて入れ歯にした年 私はクッキーを ケーキに変更する事にした 丸に刃を入れて切り取る 丁寧に作る 星型 見かけによらず甘党のあなた 年に1度 この日だけ はけで塗る メイプルシロップ あなたのプライドの 色 あなたの大切な 星の And where is that band who so vauntingly swore “黄色い猿”の一群を 火炎放射で追いつめた話 That the havoc of war and the battle s confusion 太平洋で船を沈められ 遺品もない2番目の兄のこと A home and a country should leave us no more? 息子に孫に武勇を 正当性を叫んで 揮う Their blood has wash d out their foul footsteps pollution. けれど本当に説き伏せたいのは 慙愧に囚われた影 No refuge could save the hireling and slave 手に 目に 背に 残されたままの“あの時” From the terror of flight or the gloom of the grave せり上がる黒を塗りつぶし 唱える正義 脆い興奮 And the star-spangled banner in triumph doth wave 星の勲章にすがって その肯定を救いにして立つ O er the land of the free and the home of the brave 50年が経過しても ケーキをどうぞお義父さん 星の形をした お友達の分までどうぞ 勇ある者に輝ける星 一緒に再生される苦味を グラニュー糖で打ち消して 楽しかった話でもして下さい ほおばりつつ あなたにこそ相応しい ケーキをどうぞ お義父さん 426 名前:星型のケーキ[sage] 投稿日:02/07/17 10 52 ID ??? 注)アメリカ合衆国国歌Star-Spangled Bannerの3番挿入 訳:あの軍隊はどこへ消えた 我らを自慢気に罵倒した者たちは この大混乱の戦争が戦闘の生む混乱が ふるさとと祖国に もはや何も残さないと 彼らの血は洗い流される 彼らの足跡に残る穢れも 傭兵や奴隷には逃れる場所などない 恐怖からも 怯懦からも そして 薄暗い墓地からも 星条旗よ 勝利に はためけ 自由の祖国の空に 勇者のふるさとに 【コメント】 【得点】 0点 ページ:1 2 ページ先頭へ トップページ
https://w.atwiki.jp/pkgkwiki/pages/46.html
※読み仮名が分からない生徒さんには?を付けてあります ※帰宅部はややこしいので空白で 担任 渋沢 豪(しぶさわ ごう) 名前(よみがな) 部活 備考 朝原 冬(あさはら ふゆ) 女装男子 麻縄 まき(あさなわ まき) 相撲部 転校生 磯野 富(いその とみ) 梅宮 太郎(うめみや たろう) 軽音楽部 1-C梁山泊 オダジマ ヒトコ 丘朝 杏(おかあさ あん) 葛浦 麻弥(かつうら まや) メイド見習い 桂木 慎一郎(かつらぎ しんいちろう) クオーター 楠部 奈々絵(くすべ ななえ) 吹奏楽部 小枝 華実(こえだ はなみ) 女子プロレス部 白柳 朝子(しろやなぎ あさこ) 世霊州 りん(せれす りん) レ:2B-2 高田 ジョン(たかだ じょん) なんでも屋 ロザンヌ(人形) 田川 小町(たがわ こまち) 武力 樹古里(たけりき きこり) メカ 東条 鋼(とうじょう はがね) 1-C梁山泊 冬目 いち(とうめ いち) 西谷 鏡介(にしや きょうすけ) なんでも屋・手品部 本間 良子(ほんま りょうこ) 菩薩峠まひる(ぼさつとうげ まひる) 牧野 みるく(まきの みるく) 双子 松本 幽(まつもと ゆう) 幽霊 茗荷谷 きい(みょうがだに きい) 養豚部 安田 龍二(やすだ りゅうじ) 1-C梁山泊 矢凪 るこ(やなぎ るこ) 山城 明良(やましろ あきら) 軽音楽部 夜乃 亞里朱(よるの ありす) よーけい部 轍野 響(わだちの ひびき) 鉄道研究会
https://w.atwiki.jp/poem_toukou/pages/563.html
作成中です・・・ ページ:1 2 3 4 作品 ■▲▼ 皺 480 名前:皺[] 投稿日:02/11/19 21 57 ID /JbUGGeJ (はじめに) 顔がMだけを残しオちたとき Jが憧れたとしても許せる深いたて皺がそこにあったんだが Mまでが皺だけを残しオちたので それがMの皺であるというか本当に皺であるかどうかも疑わしい (それから) Jが涙をオとそうとしたところ もはや〃と成り果てた皺がJに「オレに続け」と言うから Mの皺のないJだったが①涙、②顔、③M とオとし始めた (電気オルガン) (詩) 『先輩2002・冬、7つの物語のその後で』 背中が黒かったのはきっと服のせい 階段を駆けあがったわたしのために モニターのように振り向いた 先輩のでこに”層”という字が浮かんで消えた 気のせいだったかしら だったらよかったのかしらと カプセルパズルのピースを渡した (てんじて) Jは∫に成ったがそれは笑い涙の跡だったろう (けっきょく) そしてMはミケンだったろう 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 人生の両端 482 名前:人生の両端[] 投稿日:02/11/20 01 17 ID 98OkWPjO プロ野球選手になりたい 芸能人になりたい 小学校の卒業文集の将来の夢 なれるのはほんの一握りなのに 子供は本気でそれを書きます やがては現実を知り夢を失い 将来何になりたいかと問われれば 学生はとにかく就職したいと答えます 家庭を持って親ともなると 夢を考える時間などほとんどなく 仕事と育児の毎日です 定年が過ぎ静かな日々 足が思うように動かなくなってきて 老人は公園のベンチで 駆け回る子供を眺めるのです 「憧」 それは童の心と 童を羨む老人の心 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 手紙 486 名前:手紙(1[] 投稿日:02/11/21 15 32 ID EFN3BTBz 冬の天気雨みたいな 古い時代は過ぎ はやく死ぬことばかり考えていたあの日の少女は 東京の 扉だらけの街で快活な女性になった 社名入りの便箋に 変わらない幅広の文字で 引越 腰痛 新しい車と新しい彼氏についての 足早で簡潔な報告が綴られている きみから手紙が届くのは 三年振りだ 結局のところ あの自転車やあの海辺や あの夜の眩しい静寂は ありふれた歌謡曲そっくりの しめった感傷でしかなかったのだろう かつてのぼくらが きそって集めた美しい言葉も いつのまにか 行間は失われ 薄い辞書の一行ほどの 意味しか残ってはいない ぼくらの過ごしたあの日々は 結局のところ ひとつの眠りのような ものだった 487 名前:手紙(2[] 投稿日:02/11/21 15 32 ID EFN3BTBz もう死んでしまおう と あの日のぼくが言うと いつか結婚しよう と あの日のきみは言った ぼくらは波乱万丈の結婚生活を夢見た キスのひとつくらいで ぼくらはどんな契約よりも強く確信したのだ 今では悪い冗談も みんな憧れだった 得ようとして得られない 死も生も ぼくらを震わせた美しい言葉の数々も あのころはみんな まだ新しい憧れだった 平凡こそが波乱なのよ と 今のきみならば言うだろうか 着なれたスーツで大きなビルの扉をくぐり抜け 日々積まれてゆく大きな仕事へと向いながら 言葉よりも鮮明なもの 現在よりも高い場所について 目覚めて語る のかもしれない 488 名前:手紙(3[] 投稿日:02/11/21 15 33 ID EFN3BTBz ぼくはといえば 夢見たまま 小さな街の小さな店の片隅で 小さなものばかり際限なく売りながら 小さな言葉のかたまりを こうしていまだに寄せ集めては 濁す 汚す 捨てられずに 壊す まだ壊す 拾えずに で ぼくは考えている きみからの手紙を どこにしまおうかと考えている 押入れにある古い箱 新しい机の引出し 遠い場所 こころの奥底 言葉の海 美しい 言葉の海 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ アンダルシアに憧れて 489 名前:アンダルシアに憧れて(近藤真彦Side)[] 投稿日:02/11/21 19 08 ID /u9k6o5K ドアノブに手を掛ける 不安と希望の狭間で震えてばかりいた アンテナから飛び出る電波を感じ取り ふと夜明け前に家を出た ダダイストの自由をポケットに潜め 季節をいくつも綱渡りした パルスの瞬きにも似て鮮烈なノゾミに 夢中になってしがみつく メシアになりたくて でも聖者にはなれず 爆弾ばかりつくる シアノ化合物を打ち込まれる日まで おねがい、夢を見続けさせて 彼に哀願する自分が居た 時計の音が古ぼけていたのを覚えている 憧憧の彼方に浮かぶお城で 僕はシンデレラとフラフラ踊り続けた 離れ離れになった心と体は 理想郷に辿り着けぬままひとつに溶けて 果てる瞬間 僕は満天の星空の下、ユメにお別れを言った 涙が出た 490 名前:アンダルシアに憧れて(真島昌利Side)[] 投稿日:02/11/21 19 09 ID /u9k6o5K アンパンかじって学校へ行く 今日もドア叩く シルクのドレスは汚れたけど パンドラの箱から霧が立ちこめて カンカンスタイルの神様が現れた 未だダメな僕と君はうっとりしつつダンス ダーツで刺されても血だけ流し 今日もルックス重視で歩く クールに決めてもルードな北風は髪型を乱すばかり モノクロ シアターで機械仕掛けシンドローム ギシギシと軋む空の下 繭の中で アタマをまわして アメリカンな 振りしてアップル缶を蹴っ飛ばす 失くした記憶に微笑み 底に沈んだ夢色サーカス団に願いを込めた夜 アンダルシアに憧れて 憧夢に真珠の首飾りをかけて 憧れの街に足を進めたが 銃声に先を急かされ れんがの街で見つけたバケモノは爛れた現実から逃げ出せず ブッダに見捨てられて燃え落ちる太陽に叫んだ俺だが 溶けてしまっていた 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 鐘 492 名前:鐘[] 投稿日:02/11/21 21 17 ID 7VUoEO2N 7年に一度 鐘が鳴って時間切れになる どうやらDNAにそう書かれているらしい そんな風に生きてきた すべてが枯葉になって 音もなく いっせいに散っていくのを もう何度も僕は見てきた なぜだろう? あこがれはいつも 足の下の枯葉の立てる 微かなささやきに変わる 僕にはわからない そんな風に生きてもなお、 生きることには何か意味が あるのだろうか? もうすぐ鐘が鳴りはじめる 僕だけの 夜の鐘がまた静かに 季節の終わりを告げようとしている たぶん この冬が終われば そして 僕はまた寡黙な誰かになる 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 憧れ 493 名前:憧れ[sage] 投稿日:02/11/22 00 04 ID wCsLZaLG 僕は恒星軌道上を回転する 衛星になってしまいそうだ と叫んだところで それは間違って岩に引っ付いた 間抜けな小判鮫よ と あなたも 呟いて すこしの軽蔑とすこしの母性本能で 瞳にたたえた海の色をすこうし変えた これは凪のやわらかな波か それとも月夜の満ちた潮かと ほんのすこしの思案をしだして その正体を見極めようと みつめつづけてゆくたびに 船をゆらりと押し出していく ゆれゆく波間がみえた ほんのり写るひかりは うようよ泳ぐ夜光虫なの それとも映った星ぼしかな さらに迷いつづけてゆく それよ ちがうわと 私の視点から幾たびも これら光をかきまぜ こらえきれずに 一瞬目をそらした刹那に 海から遠ざかった船に溜まった ほんの僅かな潮をのぞくような 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ あこがれ 495 名前:あこがれ[] 投稿日:02/11/22 01 50 ID TGTK3+IM アンズ色にくずれていく 夕空に誓った うす汚れた ラクガキ あんな喜びじゃないんだ あこがれていた 人は 見つめていた 夢は 覚えたてのメロディー 歌っていた 夢のなかで 愛なんて一番 古い遣り方で 君はぼくを撃ち抜いた 目覚めたら このままだったら こわいね つまみ出された 子供の幽霊 気持くらい 楽しく チャラチャラして 守るために 答えも 憎しみに変わる いっそ消してほしい あそこが自由 冷たい風 気持よく ほほに刺さって かなりこたえた あこがれ あこがれる あこがれられたい アンズ色にくずれていく 夕空に誓った 時間より 人に流されて 大きい夢のなか 人を好きになって 胸のなか 暖かい星 憧れられたい 【コメント】 【得点】 0点 ■▲▼ 涙 501 名前:涙 [] 投稿日:02/11/24 04 34 ID /Wl1zEGS 涙が欲しかった 僕は泣けないから 泣き方を知らなかったから 僕を作ってくれた制作者たちは 僕にその機能を付加してくれなかった 「奉仕者」にそれは必要ないモノだったから たぶん僕は不良品だったのだ 不必要なはずのそれに それこそ要らない「憧れ」を抱いた僕は 品質検査も見落としたそんな自分の 「欠陥」に気づいたのは 三人目に仕えた主人の涙を見たときだった 涙腺からこぼれる液体をじっと見つめている僕を見て 彼女は言ったものだ 「涙がそんなにめずらしいの。そうね、ロボットは泣けないものね」 製造されてから十五年目の事だった 涙がめずらしいわけはない 主人の思考を推測するためのデータ収集は ヒトに仕えるべき僕たち「奉仕者」に与えられた重要な機能だから ただ純粋に 泣いてみたいとそう思ったんだ 502 名前:涙 [] 投稿日:02/11/24 04 35 ID /Wl1zEGS そう 笑うことはできた もちろん笑いたいからじゃない 主人の心に安心感を与える機能として必要だったから 偽物でも笑いは笑いだ いつでも僕は 笑顔をはりつけて主人の前に立っていた でも泣くことはできなかった それは要らない機能だったから それからの僕は待機状態の時はいつでも 部屋の片隅で思い続けたものだ 泣くことについて 僕は狂っていたのかも知れない 禁じられている自己改造を行ったのは 二十年目の事だ 自作の涙腺を密かに取り付けて 自動的に眼球部分から水が零れるようにした 感情回路にリンクしたそれは ある条件を満たしたときに流れるのだ だが 相変わらず僕は泣けなかった 条件とは「悲しみ」を感じること たとえ涙腺を埋め込んでも 悲しみに縁のない僕に泣けるはずはなかった 503 名前:涙 [] 投稿日:02/11/24 04 36 ID /Wl1zEGS 悲しみが欲しい 僕は五人目の主人に ついに思いを打ち明けた 人造人間である僕を実の孫のように可愛がってくれた主人 百五十才を超える老人だった彼は 90%以上を人工部品に置き換えた身体で 僕に言ったものだ 「悲しみは、深い喪失感から生じるものだ。 かけがえのないものをなくした時、お前は本当の悲しみを知るのかもしれない」 そして主人は僕に言ったのだ 自分を生まれ故郷の山へ連れて行ってくれと 生も死も厳密に管理されたこの社会で 主人は生きることに疲れ果てていた 彼が死ぬつもりであることを 僕の電子頭脳は冷静に計算していた 自殺幇助など本来の僕ならできるはずもない だが僕は狂っていたのだ かいがいしく主人の世話をしながら 僕は主人を連れて彼の故郷へと向かった 青白い月光を浴びながら 主人は僕に礼を言い さよならを告げた 「お前が泣けるといいなあ」 その言葉を最後に主人の身体は 谷底深くどこまでも落ちていった 赤外線の眼は最後までその姿を捉えていたが この期に及んでも僕の顔から笑みが消えることはなかった 504 名前:涙(完) [] 投稿日:02/11/24 04 42 ID /Wl1zEGS 僕は月を仰ぎ見た 青白いその顔は滲んでぼやけて見えた いつの間にか 静かに音もなく そして止めどなく 涙は流れ続けていたのだ 泣き笑いの不細工な顔を晒しながら 僕は何故泣いているのだろうと 自動的に計算を始めた 月の光を涙の滴で跳ね返しながら 【コメント】 【得点】 0点 ページ:1 2 3 4 ページ先頭へ トップページ